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8歳カンパニーが有終の美/マイルCS

マイネルファルケを交わしゴールに向かうカンパニー(右)
マイネルファルケを交わしゴールに向かうカンパニー(右)

<マイルチャンピオンシップ>◇22日=京都◇G1◇芝1600メートル◇3歳上◇出走18頭

 8歳カンパニー(牡、栗東・音無)が、相性抜群の横山典弘騎手(41)の手綱でラストランを見事に勝利で飾った。道中好位から直線で突き抜け、逃げ粘った2着マイネルファルケに1馬身1/4の差をつける快勝。1番人気の期待に応えた。6年間の長い競走馬生活最後の秋を、G1連勝を含む重賞3連勝と最高の形で締めくくった。引退後は種牡馬としてタフな血を伝えていく。

 カンパニーは最後のゴールを、最初に駆け抜けた。

 横山典は静かに、その瞬間を迎えた。ガッツポーズもなければ、大きなアクションで馬をたたえることもない。自身2年ぶりになる年間100勝目だったことも、意識してなかった。「ラストランを素晴らしい形で締めくくれて、ホッとしている」。勝利の感想を聞かれて、まずそう語った。

 音無師も大きく喜ぶことはなかった。「かっこよく勝って終われてよかった」と静かに言う。騎手、調教師とも思いはひとつ。「勝ってカンパニーの引退を飾る」ことだけ。そのことに集中していた。勝利の瞬間は2人とも、喜びよりも安堵(あんど)の方が先だった。

 04年1月に3歳でデビュー。最初のゴールも1番に駆け抜けたが、存在は地味だった。古馬になってからも重賞勝ちはしたが、G1はいつも善戦止まり。弱くはないが、決して強い存在を示す馬ではなかった。「ファンというのはあまりいなかったと思う」と音無師は言う。夏と冬に弱く、調整が難しい馬だったが、大きなケガもない。デビューして6年間、カンパニーは黙々と走り続けた。気付けば今年8歳。「だからG1を勝たせたかった。これだけ頑張っている馬だから」と振り返る。

 今年の夏は冷房が効いた馬房がある場所に、放牧へ出した。厩舎に戻ってきたとき、その効果に驚いた。これまでは暑い夏を過ごした後、走る気を見せなかった馬が集中力を切らさずに走っていた。毎日王冠を勝ち、念願だったG1、天皇賞(秋)を制覇。最後の最後に素質が開花した。

 この日も状態は最高だった。「悔いの残らないよう仕上げた」と言い切る。横山典も「追い切りのビデオを見て、いい状態をキープしているのは分かった。今日乗ってみたら、天皇賞のときよりもよかった」と語った。

 「最後の3戦で、カンパニーのファンが一気に増えたんじゃないかな」と音無師は笑顔で話す。勝ったことはもちろんだが、カンパニーが認めてもらえたことがうれしかった。横山典がレース後初めて手を振ったのは、ターフを離れる前。まだやれるのに。そんな声が漏れる4万人の声援に応えたときだった。【三上広隆】

 [2009年11月23日8時47分 紙面から]


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