○  VへのPrologue  ○

 いま、上原浩治が注目の的だ。4月に左太ももの故障で戦列を離れたものの、5月17日、阪神戦に復帰後、7勝 敗と見事に復活した上原選手。「今年は活躍して優勝する」という公約通りの、活躍ぶりを見せた前半戦。文字通り、チームV2達成のキーパーソンと言っていい。現在の心境を中心に今の上原浩治の本音に迫ってみた――。

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――思い起こせば、ロスの自主トレから始まった2001年でした。
上原 んー。始まったネー。ロスから。気候が凄く良かったナ。あと、環境と。例えば、トレーニング施設とか。

――勇気のいる決断だったんじゃなかったんですか?
上原 イヤ。全然! 1人やったらアレやけど、大塚さん(近鉄)もおったし、別に不安はなかったネ。とにかく、カラっとした天候で動きやすかったし、日本へ帰ったら寒かったんで、行って正解やった思っています。

――あの時、確か、目標は決打賞だと?
上原 ちゃう、ちゃう。“背番号14”言うたん。今はね、数字的目標は立てたくないんですわ。トータルで頑張りたかったから。でも、全然、ドコも近づいてないけど……。ケガしちゃったし。

――そのケガですが
上原 やった時は“またかヨ”と思った。“ナンでオレばっかやねん”って。原因が分からなかっただけにネ。ある人は、「走り込み不足」と言うし「ウエイトのしすぎ」と言う人もいるし。ソレが一番悔しかったネ。そいういう口に言う人等、僕の練習見てんですか? 内容知らんでしょ!ずーっと一年間、毎日つきっきりで見てるんならイイけど、一回も見てない人が勝手に言うナ。何を知っとんねん。と頭に来て。

――あの、キャンプで右太ももを痛めた時はすでに開幕ピッチャーにも内定していたんですよネ。
上原 内定もなにも。言っていいのかな。うん、もー済んだことやからええか。キャンプ前から言われてましたし。ケガしても「開幕はオマエやから」って。

――栄光の開幕ピッチャー!
上原 うーん。でも本人、周りが思っているほど重く感じてないですから。だって、そうでしょ。140/140になってしまったら、その1試合でシーズンが終わっちゃうじゃないですか。でも、やっぱり、そういうもんじゃナイでしょ?開幕戦といえども140/1。これから始まるんだし。

――とはいうものの、3月30日の阪神戦が終わった後のコメントは“5試合分疲れた”だったんでは?
上原 確かに雰囲気は違ってました。僕自身、ずーっと140/5やね。そりゃ、疲れ方が違う。でも1対0とかじゃなかったから。その分はラクやったけど…。

――勝ち投手にもなったし――。
上原 イヤ〜、ありゃ、どう見ても打線でしょ。そりゃ、勝てるんなら勝ちの方が嬉しいもんネ。僕、勝ちに飢えているから。とにかく、僕、勝ちたいんですヨ。

――そして、4月6日はセ・リーグ1番乗りの完投!でした。
上原 普通、ピッチャーの人って、先ず、完全試合を狙って、それからノーヒットノーラン、完封、完投、勝ち星ってランク下げながら投げて行く言いますけど、僕は、先ず、チームに勝がつくことを優先します。チームが勝てば、僕に1勝がつかなくてもイイんです。チームが勝って、僕にも1勝なら、もっとイイですけど、特に、完封とかじゃなくてもイイですヨ。例えば、5対3とかでも全然OK!

――そいういえば、その直後でしたっけ。お兄さんに第一子誕生。
上原 そうですヨ。僕もオジちゃんですヨ。ちゃんと、ジャビット人形、贈りましたヨ。え? ソレに刺激? そりゃ、結婚願望はありますけど、今、したいとは思わないナ。

――さて、日を追って前半戦を振り返れば、その直後、4月15日には左太もも哀の肉離れに見舞われました。
上原 肉離れって程、キツイもんじゃなかったんですヨ。だから、自分の中でも“ああ、すぐ上がるんやろナ”と思ってたし、まだ、4月やったから、そんなに焦るコトもなかったしあの時は、まだ、チームも勝ってたから……。

――来る日も来る日もジャイアンツ球場でリハビリ。
上原 そんな時、心の友がカラスの大輔だった!とか、又、言お思ってんでしょ。新聞にも、そんなコト書かれたし。僕、そんな淋しい男ちゃうヨ。それじゃ、他に友達いないみたいじゃないですか。僕は、動物愛好家なんです。だから、困ってる猫とかおったら助けてやるの。タマヌマ、ランドにカラスがいて、川本(大輔=投手)から名前とって付けてあそんでただけ。でも、カラスとしゃべれたら楽しいやろネ。カラスはよう見てるで。人間を。かしこいし。

――その間、退寮もしたんですよネ。生活に変化はありますか?
上原 変化?点呼がないことかな。あと、放送の呼び出しがかからないこと。その分ラクやけど、食事が1番大変。でも、近所に親戚がいてるんですヨ。車で10分位のところに。ソコに御飯、食べに行ったりしてますネ。

――足の故障に加え、肩も痛めたという報道があったのも、この頃でした。
上原 あれは、ピッチングをしなかっただけ。それで皆な“故障だ”って。調度、ケガしてたから、ついでに肩も休めたかっただけなんです。

――そして、いよいよ5月17日。34日ぶりの先発は阪神戦でした。
上原 緊張はなかったんです。結構ぶっつけ本番でしたから。

――でも、戦列を離れていた分、何とか結果を出さなきゃという重には、あったんじゃないですか?
上原 結果どうこうより、足の方が心配やった。投げられるかナ?って。正直、もうちょっと時間をかけたい気持ちもあったから。

――ところが、7回10奪三振で阪神戦9連勝。
上原 そういうこともある!

――ところが6月1日広島戦は最短KO7失点。
上原 そういうこともある(笑)!

――ところが6月7日、中日戦は右太ももにテーピングして12奪三振。
上原 そういうこともある(笑)!

――テーピングして投げるというのは凄い気迫ですよネ。
上原 オープン戦の時もそうだったし、今でもテーピングはしてますよ。痛いからじゃなくて、予防のため。気にしないでいると、またやっちゃいそうだから予防の意味で。テーピングしていると危ない、危ないって、頭の片隅に置いておけるでしょう。

――そして、6月21日の阪神戦は上原 7回までノーヒットノーランだったのに、負けちゃいました
上原 そういうこともあるって。

――あの時は、名言を残しましたね。
上原 あー、タコ焼き8コ並べて、9コ目、ひっくり返そうと思ったらクシ刺しに合ったっていう?アレは、評論家の達川さんが0が並んでいるのを「タコヤキ」言うたんで、なるほどなって使わしてもらったんです。