大西宏明(近鉄・外野手)
高校・大学の通算本塁打5本の僕が、今季10本も打ってる。
「うそやん!!」って、自分が1番ビックリしてるんです。

明るいキャラクターとパワーある打撃で大阪ドームのファンを魅了しているのが大西選手。入団2年目の24歳。西武・松坂投手には甲子園春夏2度の対戦で「打率5割」を打った。外見は珍ペット系? 彼のその話術はクセになる面白さです!(プロ野球ai2004年11月号)

HISTOY 

今季のベストシーンは7月18日ダイエー戦でのサヨナラ本塁打!「入ると思ってなかったからパニックで。『え? どうしよどうしよ』って動きがオカシかったです」
★入団2年目で100試合の出場。出場試合数も活躍度も、去年から飛躍的にアップしましたね。
「いや、ホンマに。僕自身が感動してますよ。ありえないですもん。『え、うそやん!』って感じですよ」

★まるで他人事のよう!?
「だって自分自身こんなに早くここまでできるとは思ってなかったです。ドラフト指名も下位だったし(7巡目)、自分なんて『来たかったら来い』状態でプロに入ったようなもんじゃないですか。それがこんなに出してもらえるなんて…」

★活躍のきっかけは?
「鈴木貴久コーチとの出会い。それ以外ないですね」(今年5月17日に他界された元2軍打撃コーチ)

★鈴木コーチの存在が大きかったんですね。
「これからの野球人生通じても、鈴木さんとの出会いがたぶん1番大きい出来事だったと思いますね。ことバッティングに関しては物凄く影響を受けました。去年入団した時は周りから『お前は打たれへん』ってレッテルを貼られて、一時はスイッチ転向も打診されたんですよ。で、悩んで鈴木さんと相談しながら『もうちょい右で頑張ってみよう』ってなって。そこから鈴木さんとの試行錯誤の猛練習が始まったんですよ」

★指導はマンツーマンで?
「そうですね。マンツーマンとはいかないけど、絶対どこかで見ててくれてたって感じでした。朝始まって、バッティングする前のティー、打撃練習、試合の打席、試合後の練習。ずっとずっと、チェックされていましたね」

★それは鈴木コーチの任務だったのかな?
「後になってわかったんですけど、去年、磯部さんが鈴木さんに『今年誰かいい選手いますか?』って聞いたら『大西いうのを見ていこうと思ってる』って言ってたらしいんです。磯部さんに先日聞いて初めて知りました」

★教わってるときは何で俺だけ? って思ったでしょう?
「思いましたね〜(笑)。他にもっといい選手おるのになぁーって」

★何か印象に残ってる言葉は?
「『自分がイメージしていることよりも、高くイメージしろ』って言われましたね。普通以上のレベルを求めろって。今まではまっすぐを待って普通に打とうと思ったんですけど、その中でもワンランク上を目指すっていうか…言葉で説明するのは難しいですね」

★野球以外の思い出は何ですか?
「一緒にパチンコ行ったことですかね〜。鈴木さん、パチンコ大好きだったんですよね。パチンコの後にメシ食いにいって。最近ね、みんなに言われるんですよ。僕の打撃は鈴木さんにソックリだって。面構えとかも似てるって言われましたね」

★その指導のお陰でプロ初ホームランも打てたんですね。
「そう! 通算10ホームランですわ。ウソみたい! 大学通算0本、高校通算5本の僕がですよ!(笑)」

★飛距離を出す打撃を教わっていたんですか?
「飛距離を出すというか、教えてもらったとおり打ったら、打球が飛ぶようになったんですよね。筋トレとかは大学の時のほうがしてましたからね。ワンポイントで変わったんでしょうね。人間、可能性ゼロちゃうなぁと思いましたもん。自分にこんな可能性が隠れてたんやなーって思いましたね」

★1番最後に教えてくれたのは?
「5月にファームに落ちたときに『もう2度と顔見せるなよ』って言ってくれたのが最後でした」

★……泣けてきますね。
「そうでしょ! 泣きましたもん。散々泣きましたね。2、3日はもう落ち込んでダメでしたね。自分の祖父母がなくなった時よりショックでした。まだ信じられないんで、線香あげてないんですよ。シーズン終わってから報告がてら、しっかり行こうと思っているんです」

★これから、どんな選手になっていきたいですか?
「理想は3割3本30盗塁できる選手ですね」

★最後に読者にメッセージを。
「こんなコト言うのも何ですけど、「いま、光っているヒーローたち」のランキングに入れて下さい(笑)。近鉄で入ってるの、クマ(岩隈投手)だけですもんねぇ。僕、まだ当分独身ですから(笑)。応援ヨロシクお願いします!!」
撮影/政川慎治 取材/樫本ゆき
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