川島亮(ヤクルト・投手)
力の投球から、コントロール重視の投球へ。
それに気づいた4月が新人王へのキーポイント。

ゆっくりとした口調で、ニコニコと話す。その穏やかさとは一転。マウンドでの川島選手は、強気。今年、110勝をあげて、新人王を獲得しました。「野球には自信があるから」と笑みを浮かべる。野球の顔。そして素顔。魅力溢れる川島選手が、今後も球界を沸かせてくれそうです。(プロ野球ai2005年1月号)

HISTOY 

性格はマイペース。1軍では五十嵐選手と一緒にいることが多かったとか。「ほとんど亮太さんがしゃべってますけどね(笑)」
★新人王獲得、おめでとう!
「ありがとうございます。知人からもたくさんのメールをいただいて、それを見返すたびに、実感がわきますね」

★何通くらいきた?
「50通くらいはいただきました。うれしかったですね。新人王は開幕からの目標。でも、ケガで9月に戦線離脱してしまったのは悔しいです」

★その肩の状態は?
「順調に回復しています。今は肩のトレーニングが中心。もう少しで投げられそうです。でも、1年間投げられなかったのが一番の反省。来年は1年間ケガをしないで、ローテーションを守りたいですね」

★自分なりにこの1年を振り返って、タイトルにつながったことは?
「4月が1勝もできなくて、その間、試合が終わると古田さんとミーティングをしてもらって、配球等、細かい指導をしてもらったんです。4月は力で抑えてやろうという気持ちが強かった。でも、それではプロのバッターには通用しない。5月からはコントロール重視のピッチングをするようになりました。気持ちに余裕が持てて5月には初勝利。4月をきっかけに自分のピッチングができるようになったのが、一番でした」

★でも、それを持続するのが一番大変なのでは?
「そうですね。でも、プロになったからといって自分の生活は変わらなかったんですよ。食事をしっかりとって、睡眠もたっぷりとった。特別のことをしたわけではないんです。それがよかったと思いますね」

★自分のペースでできたんだ。
「そうですね。性格がマイペースですからね。後半戦に入ると、疲れがあったり、体力が追いつかない日もありました。1年間、通してローテーションを守ることの難しさを実感しました」

★その中での新人王獲得は価値がある?
「そうですね。このタイトルは、僕だけじゃなく、監督、投手コーチが僕のことを根気強く使ってくれたこと。それに2回、登録抹消になったときも1軍に帯同させてくれた。試合ではいつも野手の先輩たちや、リリーフ陣が助けてくれた。僕だけで取れた新人王じゃないと思いますからね」

★今年、最大の目標をクリアしたことで自分が変わりそう?
「自信にはなるけど、来年が怖いですよね。しっかり結果を出さないと、2年目のジンクスって言われるでしょう。今年以上に結果を残すことが一番大変ですからね」

★そのためには?
「まずは肩を直すことが一番の課題。来年は相手チームも研究をしてくるだろうから、コントロール。そして、ストレート、スライダーのキレ、今年以上のものを身につけないとさらに上の成績は取れないと思っています。後はケガのしない体作り。ケガなく1年間、投げられれば今年以上の成績は残せると思います」

★それにしても、普段は大人しい川島君。マウンドでは一変。強気に変わりますよね。
「恥ずかしいけど、投げているときは全然大丈夫。緊張もしないんです。それよりも、試合前の練習で、クラブハウスから練習グラウンドまで歩いて行く間の方が恥ずかしい!」

★じゃあ、コンベンションでの表彰式は緊張した?
「スゴイ緊張しました! しかも、同じテーブルに、金本さん、川上さん、井端さん、荒木さん。スゴイ選手ばかりで、試合のときよりも緊張していました」

★オフはテレビの出演が増えるのでは?
「ダメですダメ! 人前で話すのは苦手だから絶対にダメです!」

★でも不思議とマウンドでは度胸が座っているよね。
「ハイ。マウンドでは、逆に自分のプレーを見てほしいんです。きっと野球をしている自分に自信があるからでしょうね。だって、話すことには自信がないもん」

★自信がついた1年だったんですね。さぁ、来年はどんな年にしたい?
「今年できなかったこと。1年間、シーズンを通して投げたいですね」

★新人王獲得を、プロ野球人生のいいきっかけにしたいですね。
「そうですね。来年は負けたら何を言われるか分からないですからね。でも、そこは自分の性格、マイペースを貫いて。今年の自信を武器に頑張りたいです」
撮影/政川慎治 取材/保坂淑子
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