帆足和幸(西武・投手)
大躍進の2004シーズン。
「これが自分のスタイルかなってモノを見つけた気がします」

安定感バツグンの投球内容で、レギュラーシーズンでは西武のプレーオフ進出に貢献。大舞台でも先発を任され、チームの勝敗のカギを握る存在でした。そんな帆足投手の、野球選手としての足跡をたどります。(プロ野球ai2005年1月号)

HISTOY 

目標とする投手は工藤公康さん。見習って僕も自己管理しています
★日本一おめでとうございます!
「ありがとうございます。一昨年のリーグ優勝のときには僕はベンチ入りできなかったんで、やっぱり初めての経験はうれしいですね。実感は今、徐々に沸いてきてます。だって日本シリーズのおかげで秋季キャンプが短いから(笑)」

★シリーズを振り返って一番印象に残っていることは?
「貴さん(石井投手)のピッチングですね。勇気をもらいました。貴さんは投手陣のリーダー的存在ですし、もちろん試合ではああやって自分の行動で引っ張ってくれるんですけど、普段はすごい楽しい人です。練習中もおかしなことを言って周りを笑わせてばかりですし(笑)。その貴さんがあんなにいいピッチングをしたんですからね、後から続く僕らも“よし、やるぞ”って気持ちになりますよね」

★昨年までの帆足投手と、2ケタ勝利を挙げた今年の帆足投手。何が一番変わったのですか?
「ピッチングの幅ができたというか、変化球ひとつにしても、この場面ではストライクにするのか、ボールにするのか、そういう細かいコントロールがついたと思います。それに昨年まではカーブのサインを出されたら、ただカーブを投げていただけなんですけど…。今年は“このカウントだったら相手は振ってくるからストライクゾーンからボールになるカーブでもいいな”とか、考えて投げられるようになったんです」

★視野が広がったきっかけは?
「先輩のアドバイスが大きいですね。僕の投球内容を見て“ここはこうすればよかったんだよ”って意見を言ってくだれるんで。今年は自分からもいろいろ聞くようになりましたね。豊田さん(清投手)や西口さん(文也投手)は“その1球を投げるのにもいろいろ考えることはあるんだよ”って教えてくれますから。すごく大きな影響を受けてます」

★自分のスタイルがつかめたのでしょうか?
「そうですね。試合に登板するときは前回よりいいピッチングをしようと思うんですけど、そこで力が入りすぎてもダメなんです。打者だって“打ってやろう”って向かってくる。こっちも同じように一生懸命投げてしまうと、タイミングが合ってしまってガツンと打たれる。それじゃ相手の思うツボだってことが分かった気がします。そこで熱い気持ちを抑えて一歩引くことで、相手の考えも見えてくるし、何をどこに投げればいいのかも冷静に見えてくるんだなぁって。実はグっと気持ちが行ってしまう性格なんですけど…。まだまだですけどね。でも少しずつ、これが自分のスタイルなんだなーと思えるようになりました」

★今シーズン、主戦投手として優勝を経験したことで、また新たな課題は見つかりましたか?
「はい。プレーオフ、日本シリーズの緊張感の中で投げられたということが一番大きいと思います。日本シリーズの第一戦なんてメッチャクチャ緊張してました。自分が投げるときより(笑)。なんでしょうね、あの緊張感はすごいです。7試合の間、けっきょく自分を取り戻すことができなくて、悔いが残ってます。ああいう場面でも普段の自分を出すというのが今後の課題だと思ってます。とにかく初回から全力で行ってしまって、シーズン中だったらもっと考えて投げられたのにって悔しいですね。もちろん“行けるところまで”って思ってマウンドに上がったんですけど、それにしても、ボール球まで全力投球してしまって…。だってハッキリと分かるボールだったらバッター打たないでしょ、ハハ。それなのに思い切り投げてましたからね。余裕を持って投げられなかったのが悔しいです」

★そんな課題も含めて秋のキャンプで取り組んでいることは?
「やはり下半身の強化ですね。もちろん10勝という数字は自信につながると思うんですけど、それより来年は来年で不安ですよ。同じようなコンディションで、果たして投げられるのかって。今年以上の活躍を期待されているのも自覚しています。そのためにも、もっと基礎体力をつけて来シーズンに臨みたいですね。日本シリーズのような大舞台でリベンジしたい気持ちはもちろんありますよ。先発して、今度はぜひ勝ちたいですね!」
撮影/黒崎彰 取材/市川忍 協力/日南海岸南郷プリンスホテル
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