歌藤達夫(オリックスバファローズ・投手)
ケガなく1年間できたことが成果。
2年目は、勝ち負けや防御率にこだわりたい。

雌伏の大学時代、飛躍の社会人時代を経て、プロ1年目でチーム最多の57試合に登板。肝っ玉ルーキーぶりを発揮しました。マウンドではキリリとした表情を崩さない歌藤選手ですが、素顔は、笑顔のたえない“気さくなお兄さん”です。 (プロ野球ai2005年3月号)

HISTORY 

★オフは、どんな風に過ごしましたか?
「旅行とか、特別なことは何もしていないんです。体を休めていました。野球教室で障害者の方と触れあったり、野球を通じてそういうことができるのがすごくうれしかったです」

★1年目の昨シーズンを振り返って、いかがですか?
「1年間ケガなくできたということが一番かな、と。それで、57試合、チームで最多登板っていう成績が残りました。それは社会人時代の財産のおかげだと思っています」

★社会人時代の?
「社会人1年目の秋に、肩が痛くなったんです。その時自分では「絶対に筋か何かが切れてる。これはどうしようもないな」と思ったんですよ。そしたらトレーナーの方が「ただの使い痛みや」って。そんなの信じられなくて病院に行ったら、その通りだったんです。それまで僕はトレーナーの方とか、あまり信頼してなかったんですけど、考え方が変わりました。そのトレーナーさんについてもらって、いろいろやっているうちに、知識も増えましたし、ハリと痛みの感覚の違いがわかるようになったんです。だから去年も「これはちょっとやばいな」と思った時は正直に言いましたし、「これはハリやから大丈夫」と思った時は投げ続けました。それは財産ですね」

★4月3日にリリーフで初勝利。9日には早くも2勝目をあげました。
「中継ぎの勝ちは運みたいなものもありますから。その前の初登板でいきなり負けがついて、やっぱりプロは厳しいな、と感じてましたし(初勝利は)打線が打ってくれて、みんなに助けてもらったという感じでした。すごくうれしかったけど、やっぱり先発で1勝したかったです」

★昨年見えた課題は?
「体力が足りないというか、後半、疲れをすごく感じていました。1年目でも、三瀬さん(ソフトバンク)とかはシーズン最後まできっちり投げていましたから、自分はそこがまだ弱かったと思います」

★昨年、一番印象に残ったことは?
「球団合併とかストライキとか。今までプロ野球の歴史の中でなかったことが、1年目におこるなんて、すごい巡り合わせだな、と」

★しかもオリックスは合併の当事者球団。やはり不安はありましたか?
「もちろんありましたけど、それを理由に、勝てないとかそんなことは絶対に言いたくなかった。だから、ユニホームを脱いだらやっぱりすごく不安でしたけど、野球をしている時は、全然そういうことは考えなかったです。ファンの方が、合併はいややとか、いろいろ声をあげてくださって、僕ら以上に心配してくれていました。僕らだけじゃなくファンの方がいてこそのプロ野球やねんな、とすごく感じました。僕も一昨年までは見る側の人間でしたね」

★オリックス・バファローズの指揮をとる、仰木彬監督にはどんなイメージを持っていますか?

「僕が高校1年の時に阪神大震災がありました。あの時のオリックスのイメージが、やっぱり一番強いですね。みんなで頑張って頑張って優勝して。仰木監督はそういう時に先頭に立ってた方なので、なんて言うか、人を、選手もファンも、動かす力っていうのをすごく持ってらっしゃる方なのかな、と思います」

★楽しみですね。
「そうですね。どういうふうに使ってくれるのかなっていうのは楽しみです。でもその前に僕が、しっかりと自分をアピールしないといけないですけどね」

★新しい球団で迎える2年目、目標は?
「去年の成績は絶対に上回りたい。去年は勝ちより負けの方が多くて、残っているのは、57試合登板っていうことだけなんで。今年は防御率とか勝ち負けにこだわりたいと思います。キャンプでは去年より多めに投げ込みをしたい。中継ぎをするなら、連投がきく体が必要だし、先発させてもらうなら、しっかりローテーションを守りたいです」

★最後に、ファンにメッセージをお願いします。
「去年、「合併球団は見に行かない」とうい声もありました。そういうファン方の気持ちも分かりますけど、やっぱり新しくなった僕たちを見てほしい。神戸の方はもちろん、新しく大阪にも行くので、大阪のファンにも見にきてほしいです。」
撮影/作田祥一 取材/米虫紀子
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