芸能界きっての野球ファンで知られるココリコ・遠藤さん。今回は、遠藤さんが是非、元木さんと対談したいとの希望でこの企画が実現しました。実は大阪の実家が近く、同じ年の遠藤さんは幼い頃から元木選手が憧れの存在だったとか。元木選手も驚くほどの「元木マニア」が発覚! 高校時代の話しも飛び出して、2人の楽しいお話は尽きることがなかったのでした…。(プロ野球ai2001年3月号掲載)
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「元木君に似てるって言われたのがうれしくって、“香川の元木”って言ってたんです(笑)」(遠藤)
――今回は、遠藤さんのたっての願いで実現した対談ですが、まずなぜ元木選手を指名されたか理由を聞かせていただけますか?
遠藤 上宮の時からかっなりファンやったからなんです。
元木 野球大好きなの?
遠藤 (深くうなずく)
元木 知らんかったわ。
――芸能界では、阪神ファンというイメージが強いのですが…。
遠藤 チームで応援しているのは阪神ですけど、個々で応援している選手がおるんですわ。あのー、僕、小学校の頃、元木君の隣の地区のボーイズリーグに入っていたんです。
元木 実家が近いんだったよね。
遠藤 でも、もうその頃から僕にとっては雲の上の人でしたけどね。
元木 そんなことないやろ。高校はどこの学校やった?
遠藤 香川県の寒川高校ってとこに通っていたんです。夏の県大会、僕らは早々と負けちゃいましたけどね。
――元木選手を好きになったきっかけは何ですか?
遠藤 中学の頃から似てるでぇ〜って、知人から言われていて、そうなんやって思いながら、高校入ってテレビを見てビックリ!! 自分でも「似とるわー!」って。
元木 俺も、最近、遠藤君に似てるって言われたよ。
遠藤 そうなんですか? しかもね、元木君と同じようにしたら俺も打てるんちゃうかと。それでよくマネもしてました。すっかりその気になっちゃってて…。すんません…“香川の元木”って自分で言ってました。バッティングフォーム、守備についてて負けたときのポーズとか。あとベースの先端をバットで触ってから構えるとかね。
元木 おうおう(笑)、なつかしいね〜。あれ、上宮の選手はやらなあかんねん。
遠藤 え?
元木 監督がストライクゾーンを自分で作ってイメージするためにやれって。けっこう恥ずかしくってやりたくないんだけどね。
遠藤 いや、かっこいいですよ。
元木 でも、そこまで見てくれているとは…。
――じゃあ、阪神に入ってもらいたかったでしょう?
遠藤 いや、それは全然。個人の人生ですからね。でもね、ドラフトでダイエーに交渉権があったでしょう。僕もダイエー受けたんですよ。
元木 あ、プロテストとか?
遠藤 いや、就職活動中で、ダイエーの入社試験を受けに行ったんです。
元木 うそっ! すぐにタレントじゃなかったの?
遠藤 僕、2年間働いてからタレントになったんです。でも、ダイエーの入社試験に落ちて…。
一同爆笑
遠藤 同時に、元木くんもダイエーを蹴ってハワイへ行くって。よかった〜、やっぱりダイエーには縁がなかったんやって。いや〜、これ初めて言いました! ホンマかな〜り好きでしたからね。
元木 いや、去年のファン感謝デーで初めて会ったでしょう。で、その時に“実家の家がすぐ近くや”って話してたから、今回はそのつながりで指名されたと思ったんだよね。ここまで熱いとは思ってなかった(笑)!
遠藤 センバツ、甲子園のレフトのラッキーゾーンに入ったホームランの喜び方とかマネしてましたからね。
元木 アッハッハッハッ!
遠藤 やたらベンチに向かってガッツポーズしてはって。
元木 あ〜、あれでガッツポーズ禁止になったんやで。
遠藤 やりすぎやもん! それが1本目で2本目がバックスクリーン!
元木 よう、覚えてんなぁ。高校時代なんて、はるか昔だよね。当時は自分の思った通りの野球が出来ていた頃やろね。プロじゃあ、全然でけへんから(笑)。
遠藤 そんなことないっすよ。いまや「くせもの」と言えば元木君。ちゃんと自分のスタイルを作っていますよ。
「プロテスト受けてみたら? でも、アレ難しいらしい。今の俺が受けたら絶対に不合格や」(元木)
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元木大介(もとき・だいすけ)1971年12月30日、大阪府生まれ。上宮から90年ドラフト1位で入団。180cm、83kg。右投右打。昨年は代打出場が多いも、勝負強いバッティングで、チームを盛りたてる。球界では、ここぞという時に発揮するその勝負強さから“くせもの”と言われる |
――そんな元木大介が作られた原点というと?
元木 それは、自分でもわからへん。高校の時もドラフト1位だなんて信じられんかったから。自分の力って俺にしか分からへんもんやんか。高校の時は、プロの世界ってすごいと思っていて、そんなに簡単に行けるもんやないって思ってた。
遠藤 そんなもん知らんと、僕もひょっとしたらプロ入れるんちゃうかと思って待ってたわ…。
一同爆笑
遠藤 ホンマに今でも、指名を待ってますからね。11月のドラフト日はドキドキしてますもん。
元木 相方(ココリコ・田中)はどうすんの?
遠藤 相方には言ってあります。万が一、俺がプロに引っかかった場合、ココリコを解体して、1年間だけやらしてくれと、田中も“いいよー”って言ってくれてますからね。
元木 まだ、チャンスはあんねんな。
遠藤 そう、まだチャンスはある。いい仕事しまっせ!
元木 (爆笑)でも、何かの番組で野球やってて素人に打たれてたよ。
遠藤 アッハッハッハ! でもね、プロの世界、足、打、守備といろんなスペシャリストの人がいる中で、お笑い担当スペシャリストがベンチに1人いてもいいんじゃないかって思うんです。でも…巨人は無理っすね。いますもん、元木君が!
元木 …その役割も結構難しいんやで。でもマジでテスト受けてみたら?
遠藤 ホンマに受けたい…。
元木 でも、あのプロテストって今結構難しいらしくてさぁ。よく、みんなで、今受けたら絶対に落ちるって言ってるんです。多分、まず、50mのクリアタイム、6秒5なんて走れない!
「裏の部分も見られるようになるともっと野球はおもしろい!」(元木)
遠藤 あの…素朴な質問をいいですか? 試合中、例えばピンチにマウンドに集まって何をしゃべっているのか、ファンはすごく気になるんですが…。
元木 それは、よくみんなに聞かれるね。真剣な話もするし、アホみたいな話もするし。槙原さんは打たれだしたら、入っていくタイプだから周りのことが見えへんようになる。だから、何を言っても無理なの。近寄らずに1人で分からした方が、ベテランやから、分かってくれる。逆に若手のピッチャーは怒るときは怒る。尚成でも、怒るときは怒るけど、調子いい時はどんどんほめてノッテ投げさせる。
遠藤 へぇー。やっぱり、僕らが思っている表面的な野球だけじゃない。ものすごく深いですね(力強く)。
元木 個人の性格を読んで、例えば一言声掛けるのにも、その人の性格を分かってなきゃあかん。
遠藤 ファインプレーも飛び込んで取った方が目立つけど、実はその時の野球のカンで取っていたりとか、意外と普通に平凡に取っているボールが難しかったりするんですよね。
元木 普通に飛びつくんだったら、もう一歩こっちの方が楽に守れるよっていうのを、自分の感覚とピッチャーとバッターとか全部見とかなあかん。配球まで読めるようになったら、もっと野球が面白く見れるようになるやろね。
遠藤 そう、だから野球はおもしろいんですね。語りきれないと思いますよ。
「元木大介と、対談すること。“お前知ってるよ”って言われることが芸能界での課題だったんです」(遠藤)
――小、中、高校時代の元木さんを知っている遠藤さんにとって、現在の「プロ野球選手・元木大介」はどういうふうに映っているんですか?
遠藤 僕はね、どの世界でもそうなんですけど、46年生まれの同じ年の人の活躍がすごく気になるんですよ。元木君はインコース低めとかをライト線に落としたりするでしょ? 新聞では、非凡なバッティングセンスとしか載っていないけど、すごいと思うんですよ。それが自分と同じ年で、なおかつ活躍してて。影響力はありますよ。
――例えば、シーズン中に元木さんの活躍を見ていて、自分の生活に影響されたことってありますか?
遠藤 今、草野球をやっているんですね。試合の時は必ず元木大介をイメージしてやっています。
元木 あ〜、それで2番をつける人、多いみたいだね。
遠藤 元木君が活躍した次の試合なんてみょーに力入って打てそうな気がする。でも、うまくは打てへんのです。
元木 アハハハハ!
遠藤 ずっと高校の時からいつか、元木大介が僕の事を知ってくれるぐらいになるんだと心に決めてましたからね。実は…この世界に入る時に、元木大介に「遠藤章造って見たことある! って言われるまで頑張ろう」と目標たてていたんです。だから今回はめっちゃ嬉しいです。
元木 そりゃ知ってるよ。今、テレビで大活躍やもんね。
遠藤 でも芸能界って野球界と似てるところがあると思うんですよ。たくさんの中から這い上がって自分をアピールしなくちゃいけない。
元木 でもね芸能界はここは入ったらあかんとか、暗黙の了解の部分があるやろ。野球って、極端な話、ボール1個と自分しかない。そこで、その1球を打って目立てばいい。芸能界は、ここに先輩がいたら、さけて通ることができなかったり。逆に横を通ったり。厳しい世界だと思うよ。
遠藤 1コしかない席を争うのは一緒ですよ。いまや巨人軍の元木大介の席は1コしかなくて、今どっかり座っている。でも、それを狙いに来ているやつはいつもいて、実力で振り落として。芸能界も同じ。イスとりゲームですよ。
「今年は目標3割! …打てなかったら来年、チケットいつでもプレゼントします」(元木)
――元木さんを応援してきた阪神ファンでも去年の優勝は嬉しかった?
元木 そりゃ阪神に勝ってほしいよね?
遠藤 そりゃー…ねぇ。
元木 絶対そう思うよ。
遠藤 甲子園で福原から元木君がタイムリーツーベースを打った時は、やられたーって思いましたよ。
元木 (爆笑)
遠藤 でも、去年の優勝は、もうおみごとの一言でした。ホンマに敬意をたたえますよ。それにやっぱり元木君じゃなきゃ出来ないことがあるでしょ。しかもショート、サード、レフトを守ることができる。野球選手の中で誰が1番やって聞かれたら、僕は元木くんやって言うと思うんです。野球をトータルした時のバランスは元木大介です! なかなかいませんからね。ここまで脚光をあびて、しかも結果を出して。
元木 ちゃんと見ていてくれる人がいるだけで嬉しいよ。
遠藤 結果の世界。厳しいっすね。
元木 数字が出たもん勝ちだから。とくに俺は数字が出にくい場所にいるからね。
遠藤 でも、チームには欠かせない存在ですよ!
元木 そう思われているだけでもありがたいね。打つだけ、代打だけだと思われないように。いろんなことができるように見せることが今の僕の野球だからね。
――あらためて遠藤さんが期待している元木さんのプレーは?
遠藤 いやーもうー、けがさえせーへんかったらいいです。
――元木さん、何か公約しませんか?
遠藤 3割以上!
元木 アハハハッ!
遠藤 3割打ってないですよね?
元木 うん…打ってない。
遠藤 やっぱり3割っていう数字とホームラン。
元木 規定打席いかなくてもええの?
遠藤 うん。
元木 さすが、俺の使われ方、よく知ってるねぇ。3割110試合出たいね。達成したときは……
遠藤 オフにゴルフに行きましょう! ゴルフ代は僕がもちますよ。
元木 達成できなかったときは? 来年の試合、好きな試合にご招待しましょう!
遠藤 ん〜フクザツやけど、頑張ってくださいね。応援してます!
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