開幕から負けなしの8連勝をした岩隈選手。6試合連続完投勝利で今や、日本球界、時の人。そんな連勝の最中に行われた対談。「8勝負けなしの好成績に加えて、いい男! 岩隈君、何か欠点はないの?」と遠藤君。“天は二物を与えた”!? 「この対談に出た選手はみ〜んな成績があがってるんやから、もっと頑張ってや!」と、さらにパワーを吹き込む遠藤君でした!
(プロ野球ai2004年7月号)
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5ヵ月の娘さんの声を聞くと疲れが吹っ飛ぶ! 家族に支えられた連勝記録
遠藤 ここんとこ、このコーナーは、“ええ男シリーズ”! その最たる選手がいよいよ登場しました。近鉄の岩隈選手です!
岩隈 どうも(ニコニコ)。
遠藤 いや〜。それにしても今や時の人。今や8戦8勝(5月21日現在)負けなし。なんでそんなに調子がいいの? しかも5完投ですよね?
岩隈 いやぁ、自分でも想像していなかったですね。
遠藤 競馬の馬みたいな数字ですやん。あのね、1つお願いがあるんやけど、この取材の後で、もし負けでもしたら、全部俺らの責任やからね(苦笑)。さっきも中村紀君と話してたんやけど、“頼みますよ、これで負けたらしゃれにならんから”って言われて。マジで今日はドキドキですよ。
岩隈 そうですか(笑)?
遠藤 プレッシャーはないの?
岩隈 あんまり考えないようにしています。考えると怖くなりますからね。
遠藤 でも、ゲン担ぎとかしているんですか? いつもこうして勝ってたから、今日もこうしよう、とか?
岩隈 今日はいつもとは違うな、とか。そういう雰囲気は感じるけど、“ま、いっか”で終わっています。あんまり細かいことは気にしない性格なんですよ。
遠藤 へぇ〜すごいなぁ。奥さんの手料理も試合の前はこれじゃないとダメとかないの?
岩隈 それもないですね。
遠藤 岩隈ファミリー自体が、のびのびしてて、周りがピリピリしてる?
岩隈 そうですね(笑)。実は、先日ほんの少し、負けたらどうしようって思ったときがあったんです。でもね、家に電話したら、嫁が言うんです。「こんなに勝ったんだから、負けてもいいじゃない」ってね。それで、肩の力がぐっと抜けて、またいいピッチングができたんです。
遠藤 なるほど。お子さんは?
岩隈 5ヶ月ですよ。12月に生まれました。
遠藤 ウチの子と同級生やね。ウチは昨年5月に生まれたんですよ。カワイイでしょう?
岩隈 たまらなくカワイイですね。娘の顔を見ると疲れが飛びますね。
遠藤 投げて帰ってきてから、子供の顔見るの?
岩隈 見ますね〜。
遠藤 しかも、岩隈君、まだ若いから子供にお父さんがプロ野球で活躍している姿を見せられるもんね。それがかっこいい!
岩隈 早く応援してもらいたいですね。
遠藤 以前、松井稼頭央君が娘の名前をグローブに縫いこんでいたけど、岩隈君は?
岩隈 僕も今年、入れました!
遠藤 マウンド上で、ピンチにチラッとみて、気持ちを落ち着かせたりする?
岩隈 そこまでは気にしないけど、何かホッとしますね。遠征先でも毎日電話するんです。まだウーとかアーしか言わないんですけど、その声を聞くだけで安心します。携帯の待ち受けも子供の顔ですよ(笑)。
遠藤 今は子供が支えなん?
岩隈 そうですね(ニコニコ)。去年結婚して開幕6連勝したんですけど、今年は子供が生まれて、その数を超えましたね。
入団時には想像もしていなかった今。「その時、その時を一生懸命にやった結果です」
遠藤 率直な質問してええ? 何でそんなに勝てるの?
岩隈 勝つのは嬉しいんですけど、自分でも“何で?”って思いますよ。常に勝とうという意識はありますけど、マウンドで気持ちを出しすぎると、ダメになるから、気持ちを落ち着かせたり、引いてみたりしているんです。
遠藤 周りもよく見る? 声援も聞こえる? ましてや男前で、近鉄の荒々しい選手の中でひときわ目立つ存在でしょう。キャーキャーすごいんでしょう?
岩隈 どうですかね? あんまり気にしないですからね。
遠藤 小学校から投手?
岩隈 エースで4番でしたね。
遠藤 野球人生もエリートコースやん!! しかも男前! 岩隈君、何か欠点はないのん?
岩隈 アハハハ!
遠藤 プロ今年、5年目ね。入団のときに5年目の今を想像していた?
岩隈 思っていないですね。最初の3年間は“陸上部だ”って言われていたので、先のことはあんまり考えたことがなかったです。
遠藤 そうなんや。いや、しかし男前やわぁ。体も細いっすもんね。手もキレイやもん! プライベートではどんなことしているんですか?
岩隈 ほとんどボーっとしているんですよ。野球ゲームをする程度ですかね。
遠藤 え! じゃあ、自分を使ってプレーしたりする?
岩隈 しますします!
遠藤 今じゃあ、ゲームよりも成績がいいでしょう。それも珍しいことやで。うまいこと息抜きをしての、今なんやね。
岩隈 そうですね。リズムができていますからね。今年はオープン戦につかんだものがあったんです。
遠藤 具体的には?
岩隈 すべてが全力でなくなったんです。8分の力で投げてピンチになったときに、全力で投げる。余力と残しておくピッチング。力配分がうまくいっているのがいいと思うんです。
遠藤 そうなんや。今、12球団見ても、完投できる投手が少ない中で、本当、すごい戦力ですよ。メジャーを考えたことは?
岩隈 全然ないんですよ。そういう話があったら嬉しいですけど、今は、目の前のことしか考えていないんですよ。
遠藤 今を一生懸命頑張っているから、結果がでるんやろううね。昔からそういう性格ですか?
岩隈 いや、適当ですよ。ムラがあったんですけど、今はしっかり目の前のことをこなす。そう、変わりましたね。それはやっぱり1軍での経験が生きているからだと思います。結果がついてくるので、とにかくそれが楽しい。マウンドに上がっているときが一番楽しいんです。
遠藤 勝ち続けることが怖くなったときはないんですか?
岩隈 ないですね。
遠藤 普段が楽しくて結果も伴っている。本当に充実しているんですね。
今年はタイトル、中でも防御率のタイトルが獲りたい
| いわくま・ひさし |
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1981年4月21日、東京都出身、23歳、堀越高校から99年ドラフト5位で入団。5年目。189p、74kg 。右投げ右打ち。昨年、15勝、パ最多の11完投と力投。一躍チームのエースに成長。背番号21 。血液型 AB。
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遠藤 チームの中心としての存在感とか。そういうことを考えています?
岩隈 いや、とにかく1戦1戦、アピールするだけですね。
遠藤 でも、昨年あたりまでは1軍で一番下。先輩が多い中での1軍でしたよね。性格的に先輩についていくタイプ? それとも、後輩を呼ぶタイプ?
岩隈 自分はどちらかというと、先輩についていくほうですね。
遠藤 まぁ、ラクやもんなぁ(笑)。でも、そろそろチームリーダーとして後輩に声をかけたり、まとめたりする立場になってくるでしょう?
岩隈 そうですね。阿部健太とか、よく話しかけてくれるので、僕も極力話すようにはしていますけどね。
遠藤 例えば技術をきいてきたら、教えるほう?
岩隈 僕はポイントだけを教えますね。
遠藤 なるほど、そういうものはチーム内でしっかり受け継がれていくもんなんやね。
岩隈 僕もそうやって先輩たちに教えていただきましたからね。
遠藤 近鉄は、みんな仲もよくて、居心地がいいらしいね。自分に合っている?
岩隈 そうですね。今はよく話しかけてもらっているし。自分も気軽に話せるようになりましたからね。でも、1、2年目は先輩たちが怖くて話せなかったんですよ。
遠藤 まぁ、言うてもテレビで見る人たちとプレーしたり、対戦するわけやもんなぁ。これまでで、誰と対戦した時が一番緊張した?
岩隈 自分は日ハムの小笠原さんです。首位打者のバッターですからね。しかも、自分の初登板が東京ドームで日本ハム戦。小笠原さんに同点ホームランを打たれたんですよ。この人にはかなわないって思いましたね。当時の自分はとにかく思い切り投げるしかなかった。なのにそれを簡単にホームランにされた。ビックリしましたよ。
遠藤 その後、対戦を重ねて、今、小笠原さんとの対戦はどうですか?
岩隈 何度も対戦しているので今は逆に楽しめるようになりました。小笠原さんに限らず、いいバッターと対戦するのは楽しいですよ。インコースまっすぐの強い球を投げたときに、どういう反応してくるのか。それが楽しいんです。
遠藤 強気なんやなぁ。でも、僕も野球が好きで試合を見ているとね、そういう駆け引きが見ていて楽しいよね。ここはまっすぐで勝負したいんやろうなぁ、とか。ファンを魅了する野球をしているわけやね。
岩隈 入団当初は、とにかく投げることに必死。でも今はそんな野球もできるようになりました。
いいバッターにインコースに投げるっていうのは鉄則だし、そうじゃなければ抑えられない。それで三振を取ったらまたさらに嬉しいし。また強気に攻める。野球って楽しいですよ。
遠藤 今年もオールスター出るやろ? もしかして、そこで巨人に行ったローズと対戦するかもしれへんね。これまではチームメートでバットで助けてくれていたのに、今や敵やもんなぁ。
岩隈 オープン戦、対戦したんですけど、そのときは外の変化球だけで攻めました。今度は、まっすぐで攻めてみたい。打つなら打ってみろって感じでね。
遠藤 お〜! いいねぇ〜。これで今年のオールスターの楽しみが1つ増えたわ! ええなぁ〜。まだまだ…まだやもんなぁ、俺は…。
岩隈 え? なんですか?
遠藤 俺ね、まだプロ入りを目指しているのよ。ドラフト8位でも9位でもいいからね。ホント、岩隈君。チームメートになったら結構、ええと思うよ。ピンチになったら靴のひもを解いて、タイムを取って、ゆっくりひもを結びながら気持ちを整える時間を作るしね(笑)。
岩隈 アハハハ。いいですね。待ってますヨ!
遠藤 でもこんなに勝ち続けている中で、この後、目指すものってある?
岩隈 まずは最後までケガなくローテーションを守って投げること。あとは、結果がついてくると思うんですが、できればタイトルを取りたいですね。
遠藤 そりゃあ取れるやろ? だって5月で8勝だよ。プロに入って1勝もあげれない投手がいる中で、8勝だよ。しかも4冠。タイトルも1つじゃなくって、4つくらい取れるでしょう。でも、一番取りたいタイトルって?
岩隈 勝ちは嬉しいですけど、やっぱり防御率ですかね。自分自身の結果を映し出す数字ですからね。
遠藤 んも〜、タイトル取って〜! で、1つくらいちょーだい! よかったらで、ええけどね(笑)。
岩隈 アハハハ。考えときます(笑)。
遠藤 このコーナーに出た人は、その後活躍する選手が多いから自信もってね!
岩隈 はい、ありがとうございます!
撮影/黒埼彰 取材/保坂淑子
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