第20回目の登場は、日本代表に選ばれた阪神藤本選手。二人は、プライベートでも大の仲良し。阪神の選手を中心とした「遠藤会」の一番の出世頭! 「今回の経験を生かして、4年後は日本代表の主将で。そして阪神の選手会長へ」と遠藤君の期待はふくらむばかりです!
(プロ野球ai2004年9月号)
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「いまだになんで僕が選ばれたんかなって疑問に思っている。でも、出るからにはまた4年後に出たいと思える大会にしたい」(藤本)
遠藤 いよいよオリンピック。全日本に選ばれた藤本君が今回のゲストです! いやぁ、全日本なんてすごいことやで。選ばれると思ってた?
藤本 まさか自分が選ばれるなんて思ってもいませんでした。あの重圧は自分には絶対に無理やわって思っていましたからね。
遠藤 その重圧ってどこで感じた?
藤本 去年、阪神が全日本と壮行試合をしたんです。そのときの全日本の選手たちがシーズン中の顔と全然違った。ごっつ、プレッシャーかかりすぎちゃうん? ってくらい。おまけに僕らが勝っちゃったから、よけい悲壮感が漂っていて。でも、実際に自分がその立場だったら務まらないかもしれない。そう思っていたんです。
遠藤 それで、実際にジャパンのユニホームを着たときはどうやった?
藤本 まずはユニホームを見た瞬間に、さらにプレッシャーがかかりましたね。
遠藤 きたか!
藤本 即効着て、鏡の前に立ちました(笑)。うぉ〜ジャパンや〜って(笑)。
遠藤 似合ってるよ。
藤本 ホントですか? ジャパンのユニホームってかっこええなぁって思いましたね。もちろん、タイガースのユニホームを着ても気は引き締まるんですが、また違うものがありました。
遠藤 ジャパンの中での自分の役割って何やと思う?
藤本 どうでしょう? 未だに、なんで僕が選ばれたんかな〜ってギモンに思っているくらいですからね。
遠藤 まだ思ってんの?
藤本 だって、他にいい選手はたくさんいるでしょう。しかも、今年調子も悪いし。
遠藤 そう? 上がってきてるやん。先日の甲子園でも通算6本目。甲子園で初めてのホームラン打ったやろ?
藤本 あれは会心でしたね〜!
遠藤 逆風で思い切り浜風やのに、それをものともせずに飛ばしたからね。パワーがついた?
藤本 いえ。去年は逆方向しか狙っていなかったんです。でも、今年はインコースを攻められるだろう、と。それを逆手にとって引っ張ろと思ったんです。
遠藤 レベルアップしてるやん。
藤本 あとね、最近配球を読むようにしているんですけど、これがまた外れてばかりなんです(笑)。これまでは来た球を打つ感じだったんですけどね。
遠藤 でも、守備と攻撃。自分の中ではどっちの比重が重いの?
藤本 そら、守備ですよ。めちゃめちゃ気を使っています。守備で何とかしようという気持ちが強いですね。多分、9割近く気持ちは守備です。どんだけこっちに飛んでくんねん、ってくらい打球が飛んできますからね。下柳さんなんて冗談で、“オマエ、エラーしたらシバクぞ”って言うてきますからね(笑)。下さんの時には気が張っているから、エラーが1つもないんですよ(笑)。
遠藤 それやったら、全日本でもノーエラーやね。
藤本 でも、1戦目から気を張っていたら、胃がもたないです! 宮本さんでさえ、重圧で耐えられないって言うてましたから。
遠藤 日の丸を背負うことって大変なことなんやなぁ。でも、キューバとの壮行試合。戦ってみてどうやった?
藤本 試合の途中で“あぁ、これはまだ壮行試合なんや”っていう気楽さはありましたけど、打球が1つ飛んでくるまでの自分は、どっちの方向を向いて立っているのかさえ、分からなかったくらい緊張していましたね。
遠藤 でも、初戦でセカンド守ったやろ? 打球の回転も違うし。ベースの入り方も違う。違和感なかった?
藤本 でも、もともと僕はセカンドなんですよ。ファーストも近いし、落としても間に合う。余裕があるでしょう。だから全日本の高木さん(コーチ)にも“セカンドの方がいいです”って言ってたんです。それなのになんで2戦目は自分がショートやねんっちゅう話ですわ(笑)。
考えてもしゃあない!藤本選手のポリシーは“なるようになる”の「逆ギレ精神」
遠藤 監督が使いたいって思わせる力があるんやて。去年かて、3割に届くまでヒットを2本打たなアカンって時に、2本を打つ。その精神力が強い! 内に秘めているんやろ?
藤本 いやぁ、なんも秘めてないですよ(笑)。
遠藤 えぇぇぇぇ〜(笑)!
藤本 だって深く考えないっすもん。
遠藤 周りがハラハラしているだけなんや。
藤本 そのと〜り!
遠藤 いやいや! そこで「見せてないだけですよ」とか言ってよ! 自分がやることやればええっていう考えでやってるんやろうけど?
藤本 (深〜くうなづく)
遠藤 開幕前は鳥谷君とのレギュラー争いやって騒がれてたけど、前半戦、終わってみれば、この通りレギュラーポジションは藤本君やろ。
藤本 だって、考えてもしゃあないですもん。
遠藤 でもね、そこまで開き直れるのって、どっかに自信があるからやろ?
藤本 自信とかじゃないですよ。強いて言うなら逆ギレかな。
遠藤 “逆ギレ精神”!?
藤本 決めるのは上の人ですからね。考えてもしゃあないんです。
遠藤 あらためて聞くけど、守備のこだわりって何?
藤本 こだわりというよりも、まだまだ勉強中です。試合でもうまい選手の守り方は見ていますからね。
遠藤 でも、年々、安定度は増しているよね? しかも、阪神の守備陣を見ていると動きのいい選手が…藤本君と赤星君だけ…。
藤本 アハハハ! でも、僕は全部獲りにいくつもりでいますよ。“頼むぞ〜”って叫ばれたら、“ハイ〜〜!”って走りますからね(笑)。レフトからフライ頼むぞ! サードから頼むぞ! セカンドから頼むぞ〜!…って俺しかおらんやん!
遠藤 (爆笑)
藤本 ホンマ、みんな高いフライが嫌いですもん。みんな指のさしあいですから(笑)。声かけも早いですよ(笑)。早いもん勝ちですからね。
2人の出会いは浅井君のご紹介。遠藤家への招待、おいしい鍋料理が2人の仲を深めた!?
遠藤 藤本君との付き合いって、去年やったなぁ。浅井良君と仲良くさせてもらっていて、一緒にご飯を食べてからやね。
藤本 そうですね。通称「遠藤会」に入れていただいて。僕にとって、遠藤さんって、白のブリーフの芸のイメージが強くてね(笑)。
遠藤 “ガキの使いやあらへんで”(日テレ系)のネタね。(遠藤君が白いブリーフ1枚で、“ほほほーい、ほほほーいといいながら、胸をたたきながら飛び跳ねる芸)藤本君のイメージは、人間的に言うと、誰からも好かれているタイプ。例えば、普通にしているだけでも、藤本やからええかって許してくれる。とっつきにくくて、何を考えているかわからん人もいるでしょ。久保田なんて、ご飯食べに行って、1時間一言もしゃべらんかったしね(笑)。うまいんかどうかもわからへん(笑)。
藤本 カメラが回ってなかったらごっつテンションが低い芸人さんとか多い。でも、遠藤さんはどんなときでも気楽にしゃべってくれるから楽しいんですよ。
遠藤 そうやなぁ。同じテンションで付き合えるもんなぁ。ウチにも来たことがあるよね。
藤本 千秋さんの手料理かと思ったんですが…。
遠藤 鍋やったな〜(笑)。
藤本 入れるだけ〜みたいな(笑)。
遠藤 あれが唯一の我が家の手料理やから。
藤本 いや、おいしかったです!
| ふじもと・あつし |
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1977年10月4日、兵庫県出身。育英高校、亜大中退後、甲賀総合科学専門学校、デュプロを経て01年ドラフト7位で入団。4年目。1m73cm、70kg。右投げ左打ち。守備範囲の広さには定評があり、ショートの定位置を獲得。背番号9。
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4年後のオリンピックは主将は藤本君、ヘッドコーチはブリーフ姿の遠藤君。名付けて「遠藤ジャパン!?」
遠藤 オリンピックではどんなことを学んできたい?
藤本 日本中がメダルとって当たり前だと思っていますからね。
遠藤 今回の経験を生かして4年後は宮本さんの後を継いで日本の主将になってよ。
藤本 いやいや、そんな器ないですよ。遠藤さんこそ、監督でどうっすか?
遠藤 いいの? でも監督はおこがましいからヘッドコーチあたりでええねん。
藤本 「遠藤ジャパン」っすね(笑)。
遠藤 いいねぇ〜! 基本は白のブリーフ1枚で頑張るからね。ブリーフの前に日の丸つけとけば、違う国も注目するやろ? もちろん、それで抗議にも行くよ。球場全体も和むでしょ。“どないしてんやろ、あのヘッドコーチ?”って言われるやろ(笑)。いやいや、これじゃあ、何の闘争心もないなぁ。アカンアカン!
藤本 メッチャ楽しみですわ(笑)。
遠藤 そのときは、阪神の連続優勝中や!
藤本 すごいっすね(笑)。でも、今回オリンピックに出て、4年後もまた出たいなって思えるようないい経験をしてきたいですね。頑張ります!
遠藤 今度は背番号9で行けるといいね。
藤本 いや、できれば僕は、違う背番号をつけたいと思っているんです。阪神の藤本じゃない。違う自分が出せそうかなって。
遠藤 じゃあ、今年は背番号25番の野球。期待しています!
撮影/黒埼彰 取材/保坂淑子 協力/横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ
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