今回は、このコーナー初めての中日の選手の登場です。首位を独走中の9月8日に行われた対談。選手会長として。チームリーダーとして奮闘中の井端選手に、落合監督のこと。そして自身の野球について耳を傾ける遠藤君。その結論は…「やっぱ、今年の中日は強い!」さて、そのワケは…???(プロ野球ai2004年11月号)
今年は選手会長のアタリ年!? 慌ててスーツの換えを購入
遠藤 首位、独走中の中日。さて、ちょっと気の早い話ですが、今年1年はどうでした?
井端 選手は決して勘違いしちゃいけないと思うんです。選手である以上は、ファンやマスコミともうまく付き合っていかないといけない。1軍に上がって態度が変わる選手もいますしね。僕よりも上の人には言いにくいけど、下の選手にはアドバイスするようにしています。 遠藤 そうなんや。井端君、ちょっと怖そうやから、説得力あるでしょう? 井端 いや、僕よりも立浪さんの方がスゴイ。何も言わなくてもみんな付いていきますからね。 遠藤 背中を見てついてこいって言うタイプなんや。 井端 そうですね。例えば、ロッカーでも若い選手が騒いでいても、立浪さんがロッカーに来ると空気が変わりますもんね。ビシっとします。それに僕がロッカー整理しておけよって言っても、みんな聞かないのに、立浪さんが、「オイ、ロッカー汚いぞ」って一言でみんな、一斉に片付けが始まりますからね。 遠藤 へぇ〜! ウチで言うと、ダウンタウンと一緒やなぁ。スタッフとワ〜って騒いでても、松本さんが入ってくるとピリっとするからなぁ(笑)。 「ダブルプレーを打ってこい!」監督のその一言が、僕の野球を変えた。
遠藤 でも、今年は監督が落合さんになってどうでしたか?
遠藤 うんうん。 井端 唯一、話かけてくるのは野球以外の話。激励会があるから、オマエが出て来い、とか雑用ばかりですよ。 遠藤 嫌われているのかなぁって思ってた? 井端 はい(笑)。 遠藤 それが、「違うんだ、信用されているんや」って分かった瞬間って? 井端 シーズン途中に、新聞に、「一番信頼している」って書いてあったんです。その瞬間、一気に心のモヤモヤがなくなりましたね。 遠藤 あ〜選手の心をよく読んでるんやな。 井端 試合でもそうですよ。どんな試合でも、勝ちたいとか、そういうことは絶対に口に出さないんです。例えば開幕戦。初回に点を取られて6対0になったときに、マウンドにきて「今日はもうえええやろ」って言ったんです。僕らみんな、「え!?」って思いましたよ。「そっかぁ。監督はいいんだ」そう思ったらリラックスして打ち出して逆転。初回にノックアウトされた時なんて、マウンドに来て「今日はケガしないようにな」とか。そういうときに限って逆転することが多いんですよね。 遠藤 落合さんってよく自分でマウンドに行くけどそんな話をしているんや。 井端 代打も代えられた選手に必ず一声かけるんです。コーチよりも監督に言われた方が選手は納得しますからね。選手はやる気になりますよね。 遠藤 しかも、監督の現役時代の背番号を今つけているよね。それはどうなの? 井端 落合さんが監督就任したときに、何番にしようかなぁって思いましたよ(笑)。でも、言われるまでは自分から言うのはやめようって。そしたら66! ホッとしました。 遠藤 シーズン中、井端君のプレーの転機になる監督の一言ってあった? 井端 僕、これまでダブルプレーを打っちゃいけないってずっと思っていたんです。それが、監督が「ダブルプレー大いに結構!」って言うんです。例えば、ノーアウトランナー一塁の場面。今まではランナーを進めたい一心で右方向に打っていたのに、落合さんは「引っ張ってダブルプレーを打ってこい」って言うんです。一度、本当に試合で打ったら、その試合後、監督が「今日の収穫はあのダブルプレーだ」って言ったんです。翌日、監督に聞いたら、「いい当たりの打球がたまたま正面にいっただけで紙一重の当たりだった。ああいうのが次に生きてくるから」。その後も懲りずに打っていたら、それが段々、内野の間を抜けるようになって、ヒットが多くなったんですよ。
井端 ヒット打ってやろうじゃなくて、ダブルプレー打ってやろうと思ったら結構いいんですよ。 遠藤 余裕がある。ダブルプレーを打ってやろうとか。もういいや、とかね。勝ちにこだわらんとこ〜って思ったら勝ったりするねん。 井端 それで、ダブルプレーを打ってもショックがないんです。だって、打とうと思って打ってるわけですからね。 遠藤 そうだよね。今までと野球に対する姿勢が変わったんだ。 井端 悩まなくなりましたね。 遠藤 今までは、ダブルプレーを打ったらアカンって思ってたんやもんなぁ。 井端 そうですね。2ストライクから三振でってヤマを張ってみたり。今年は野球がおもしろいですよ。 遠藤 うわ〜! 中日強いわ! 井端 コーチ陣もいいんですよ。投手をみて「今日は適当に打ってこい」とか。これは「打つ気マンマンで行かないと打てないぞ〜」とか。選手をのせる言葉がウマイんです。 遠藤 表で働く人間を気持ちよくさせる方法を知っているのは、チーム状態がいい証拠だね。位端君が理想としているバッター像はある? 井端 空振りしないこと。バットにさえ当たれば何とかなる。それは追求していきたいと思っています。 遠藤 守備は? 井端 年々、年をとって動きが狭くなると思うんです。その時のために、今から体に無駄のない、疲れない、怪我をしない。ラクな取り方、楽な投げ方を身に付けたい。若ければガムシャラにやればいいけど、そのままだと30代半ばでダメになってしまう。無駄なくさばくことを身につけたいと思っています。 遠藤 140試合は長いし、それを毎年毎年やっていくと、そういう域に達してくるんだね。まだ、20代やのに、も〜そんなとこまで考えているの? スゴイね。俺の29歳の時なんか、先のことなんて一つも考えてなかったわ。
中日のロッカーの中ではいつもお笑いのDVD。ただいま、お笑い浸透中〜!
遠藤 優勝に対する思いはある?
撮影/黒埼彰 取材/保坂淑子 協力/赤坂プリンスホテル
| |||||||||
|
|
◆本サイトに掲載されている記事・写真等の無断転載を禁じます。 株式会社日刊スポーツ出版社 |