さて、前号に続き2回目の今回は、和田君の高校時代、大学時代と、そのルーツを語ってもらいました。尽きることなく続いた二人の熱いトーク。引き続きお楽しみ下さい!(プロ野球ai2005年5月号)
● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
野球センスよりも努力。いい指導者の下で努力してきた結果が、今の自分です。
遠藤 さて。前号から引き続き、今回も和田選手を迎えて、対談しましょう!前回は…んもー和田君はかっこいい! ええ男やって話しで終始してたと思うんやけど。
和田 アハハハ。でも、そんなことないですよ。至って普通ですから。
遠藤 しかも、頭はいいし、野球のセンスもバツグン!
和田 いや、野球のセンスはそんなにないと思うんですよ。どちらかといえば、僕は努力の人です。
遠藤 でも、野球の頭のよさもあるでしょう。それが長けているイメージがある。もともとそれがあって、さらに努力して成長してきたんちゃう?
和田 でも、そのつど野球の指導は受けていますからね。例えば、大学ではトレーナー(現在も継続してトレーニングを見てもらっている)。配球だとか、こういうバッターはこういう打ち方するよ、とビデオを見ながら解説してもらう。プロ野球だったら解説者の言っていることを聞く。僕はそういうことをすぐに実践したくなるんです。やってみて合わないと思ったらすぐに止めます。
遠藤 常にチャレンジや。ふぅ〜、これからも相当いい投手になるね。
和田 でも、葛藤はありますよ。今までやってきたのに、新しいものにチャレンジするのは難しいですからね。でも、これでよくなるのならいいんです。合わなかったら元に戻せばいい。それだけのことですからね。
遠藤 勇気がいるね。ましてやプロ。俺らがアマチュアで野球やっているのとは全然レベルが違う。和田君って見た目がスマートやからそう見えないけど、意外と努力しているし、根性も座っているんだね。
完璧主義者と楽天家!? 同じO型でもこうも違う二人!
和田 1年目も2年目も、僕の中ではこんなもんじゃないと思っているんです。まだまだ練習していけば、もっと上を目指せると思うんです。
遠藤 今の時点で不満なところって?
和田 全部ですよ。スピードにコントロール。少しでもその理想に近づけたいと思ってやっています。
遠藤 ほぉ〜。完璧主義者やなぁ。和田君って血液型は何型?
和田 O型です。
遠藤 あれ!? 俺と一緒や。何でこんなに違うんやろ(笑)。遠藤家の座右の銘はね、「いつもニコニコ」。何があっても常に笑っていよう。笑っていれば、何とかなる。人が見てないところで自分なりの勉強はしているけど、人前では常に笑っていこうと。俺はね、運命の流れは大切だと思っていてね。人間アカン流れのときは誰にでもあると思うの。俺にも何年もメシを食えないときはあった。でも、今、俺はこういう流れのときだから、ここで変に逆らって何かをしてもダメ。とりあえず、今はこの運命に流されようと。そうやってきて今がある。でも和田君って、同じO型でも違うんやなぁ(笑)。そういう運命のときでも、覆すパワーを持ってる気がするわ。
和田 僕の座右の銘は「信頼」なんですよ。
遠藤 いつからなの?
和田 高校時代からです。高校2年の秋に、上腕三頭筋を痛めたんです。その時のうちのチームは打力が弱くて、僕が投げて何とか抑えて勝っていた。選抜出場がかかった2年秋の中国大会でも、僕が投げられなくてボロボロに打たれて負けたんです。そのケガの状態なんですが、ちゃんとリハビリすれば3年の夏の大会まで完治する。でも、そこで監督と相談して、僕は夏の県大会には間に合わない、とみんなに報告する。それでみんなのモチベーションを上げて打力をアップしよう、と決めたんです。
遠藤 え、そうなん!?
和田 これ、マジで裏話です。今、初めて話しますよ。
遠藤 でも、和田君かて夏の県大会で投げたかったんちゃうの?
和田 そうですね。でも、チームが強くなるのなら、いいと納得したんです。そこで、監督がチーム全員に、“夏、和田は間に合わないから、何とか打ち勝つチームにしよう。でも、順調に行けば甲子園には間に合うぞ!”と話をしたんです。そこからチームがガラリと変わりました。みんなが「和田を甲子園に連れて行こう」って言い合いながら頑張ってくれました。
遠藤 ほぉ〜! 映画になるわ、それ!
和田 もちろん、僕もランニングやできる限りの練習をしましたよ。みんなも、僕の必死なリハビリの姿を見てくれて。それまで室内練習場で練習したことのなかったみんなが、毎晩残ってバッティングの練習をしてくれました。僕にバッティングを聞きにくるヤツもいたし。居残りでティやーマシンを打つ選手もいた。本心はどうかはわからないですよ。秋の大会で負けた悔しさからやっていたのかもしれない。でも、僕はみんなの一生懸命練習に励む姿がものすごくうれしかったですね。
遠藤 泣ける話やわ。和田君なりにもいろいろ勉強になったんちゃう?
和田 そうなんです。その時、試合で投げられないので、初めてみんなの試合をバックネット裏から見たんですよ。すごく一生懸命やっている姿が見えるし、視野も広がったんです。相手の外野手の動きが悪い、とか。ワンテンポずれているよ、とか。第三者的視点で、みんなにアドバイスができるようになった。実際に自分がマウンドに戻ったときには、それまで以上に周りが見えるようになっていたんです。周りの声もしっかり聞こえる。あぁ、僕はこんなに味方から、アドバイスや励ましの声を聞きながらやっていたんだなぁ。野球は絶対に一人じゃできない、と実感。キャッチャーもいる。後ろには7人も守ってくれている。絶対に投手と野手の「信頼」がないと試合には勝てない。この先の野球人生でも、和田を何とかしてラクにさせてやろう、和田のために頑張ってやろう。野手から「信頼」される投手になろうと思ったんです。
遠藤 …和田くん、俺も今日から、「信頼」にしてもいい?
和田 アハハハ。
遠藤 でも、そういうメンバーって一生の友達だよね。
和田 そうですね。今でも仲良しですよ。自分、グローブにはいつも「信頼」と刺繍してもらっていますし、色紙に何か書いてくださいって言われると「信頼」って書いていますね。
ますます盛り上がるトークの続きは「プロ野球ai2005年5月号」で!
撮影/黒埼彰 取材/保坂淑子 協力/RETOH
|