| まえがき |
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この本の執筆を思い立ったのは、アメリカ合衆国でサッカーのワールドカップが開催された数年前の夏だった。その年の夏、わがイングランド代表チームは予選で敗退しワールドカップ本大会には出場できなかった。また、クリケットでも、イングランドチームはオーストラリアチームに屈辱的な敗北を喫し、ウィンブルドン・テニス・チャンピオンシップでも、英国人プレイヤーは例によって早々と姿を消してしまった。 以前はBクラスと見下していた国々を相手に、英国人が当然のごとくに勝利できなくなってしまったのは、いったいどうしたわけだろう?ノルウェイとアイルランドがサッカーのワールドカップに出場しているのに、イングランドが出られないのはなぜだろう?スウェーデンとチェコはすばらしいテニスプレイヤーを輩出しているのに、なぜ、英国にはそれができないのだろう?現在はすっかり落ちぶれてしまったとはいえ、長いあいだスポーツ界に君臨してきた旧東ドイツ共和国。あの小さな国にできて、英国にできなかったこととは何なのだろう?ニュージーランドと南アフリカにはすばらしいラグビー選手がいるのに、英国にはいない。第二次世界大戦以降、英国からウィンブルドン・テニス・チャンピオンが生まれていないのは言うまでもなく、決勝にさえ進めないのはどうしたわけだろう?かつては英国人ドライバーが圧倒的優位を保っていたF1モーターレーシングでも、この20年間に誕生したワールドチャンピオンはわずかひとりだけだ。いまや、英国はスヌーカーやダーツといったレクリエーション的なスポーツで、プライドを満足させるしかないのだろうか? スポーツに勝利するためには何が必要かをモチベーショナル・コンサルタント、サイコセラピスト、ヘルス・プラクティショナーという職業にたずさわるものとして、また、スポーツを通して得たみずからの経験と照らし合わせて、考えてみた。われわれのところには、よりよい人生を送りたいという人々が数多く訪れる。その中には多くのスポーツマンが含まれており、この25年間で2万人以上のスポーツマンとかかわってきた。 われわれはアメリカ合衆国、旧ソビエト連邦、西ヨーロッパ、南アフリカ、オーストラリアなど、各国で採用されているトレーニング法を研究した。そして、ひとつの結論に達した。つまり、筋力トレーニング、栄養、技術と才能はいずれも重要だが、いちばん大切なのは意思であるということだ。たとえば、ほぼ同等の身体能力を持ったふたつのチーム、あるいはふたりの人間がいた場合、より前向きな姿勢と感情を持っているほうが勝利する。 われわれはさらに研究を進めた。前向きな考え方というのは生まれつきのものか、それとも開発できるものなのか?また、どうすれば開発できるのか? 大学の図書室には部厚いスポーツ心理学の本が数多く蔵書されているが学究的な書籍は値段が高すぎたり、技術的すぎて一般人には難解だ。一方、ゴルフ上達法やテニス上達法といった、基本的な技術を解説している小冊子もあるにはあるが、もっとも重要な心理や感情に関する部分が抜けている。われわれは重要なことをわかりやすい言葉で書いてある本を探しまわった。体育教師やコーチにもきいてみたが、そのような本はないということがわかっただけだった。平均的なスポーツ愛好者が理解できる内容の本は、まったくなかった。 しかし、それは過去のことだ。本書を読み、学んだことを実行すれば、すぐにその結果がよい成績となって表れるはずだ。所属するスポーツクラブで一等賞を獲得することだろうと、地域の代表になることだろうと、ワールドチャンピオンになることだろうと、あるいは、ただスポーツを楽しむことだろうと,目的がなんであれ本書はきっとあなたの役に立つはずだ。さらに、スポーツで勝利するために必要な特質は、人生のあらゆる分野で成功を収めることにも有用だ。本書があなたの望む健康で幸福な人生を手に入れる一助となれば幸いである。
デイヴィッド・スウィンドリー/レックス・ジョンソン
イギリス、ボーンマスにて |
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