「虎風荘の若トラたち〜名物寮長が明かす虎の子の育て方」
編集担当・小林秀夫


 阪神ファンにはなじみのある虎風荘の名物寮長・梅本正之さんが勇退なさると聞いたのは昨年秋、タイガースが18年ぶり4度目の優勝を決め日本一に挑む頃だった。阪神フィーバーの中で各社のタイガース関連本は売れ、我々マスコミには神風が吹いた1年だった。流れに乗った出版企画はすぐさまゴーサインが出たが、主役の梅本さんはテレビ出演や雑誌の取材攻勢で時間が取れず「他社に出版権を取られるのでは」とあせりまくった。ようやく11月末に虎風荘で梅本さんとの交渉が実現、こちらの熱意をくみ取っていただき、二つ返事で出版OKとなった。

 「選手は親御さんや球団から預かった宝物」という梅本さんは寮長として時に厳しく、心から愛情を注いで若き選手たちを育て上げた。初めての出版本にはそんな梅本さんと選手の心のふれあい、泣き笑いドラマが盛り込まれており、梅本さんのハートのある若手の育て方が全編にちりばめられている。梅本さんが語り、大阪日刊スポーツの記者時代から親交のあるスポーツ・ジャーナリスト内匠宏幸がまとめている。幅広い年代層に楽しく読んでもらえて、元気のパワーがもらえる内容になったと思う。多くの人にぜひ手にとってもらいたい。03年の優勝ハイライト、対戦成績、阪神球団史など付録もありタイガース・ファンにはメモリアルな1冊になるはずだ。

 梅本さんには打ち合わせも兼ねて何度もお会いしたが、いつもやさしさに満ち、飾らない性格にはひかれるものを感じている。今後は全国で講演活動もされる予定で、梅本ファンは確実に増え続けるはずだ。