鳥谷 敬選手(阪神・内野手)
いいことも悪いこともある。 精神的に安定してプレーできるか。 これからがプロとして本当の勝負です
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安芸キャンプでは、早くも人気ナンバーワン。連日の報道フィーバーも過熱気味です。それでも鳥谷選手自身は「この環境に慣れました」と、新しい世界へ順応しています。キャンプ休日、私服でインタビューに現れた鳥谷選手は、写真やテレビで見るよりずっとカッコよかったよ。(プロ野球ai2004年5月号)
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Q1 プロで初めてのキャンプ、どうでしたか?
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「突き指をしたりとか、ちょっとしたことはありましたけど、大きなケガもなく、目標とした「ケガをしない」ということは達成できたと思います。」
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Q2 実戦を迎えるにあたって、気持ちの高ぶりはありますか?
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「いえ、まだそんな興奮はしてないです。ここまでキャンプでやってきたことを、1つ1つ確認しながらやっていきます。」
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Q3 バッティングでは、何かトライして行こうということがありますか?
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「技術的なことは、まだ考えてないです。とにかくケガをしないことと、環境に慣れることを考えてきました。」
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Q4 紅白戦など、プロの投手と対戦した感想は?
- 「何しろそれまで、まったく対戦したことがない投手ばかりで。どんな球を持っているのか知りませんし、いきなり打てるとも思ってないです。紅白戦ですからその打席1回きりの対戦になることも多いですからね。でも、その中で自分に必要なものを、見つけられれば…。」
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Q5 具体的な収穫はありましたか?
- 「さっきも言った通り、技術的なこと、打つことに関しては、まだこれからです。」
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Q6 やっていけそうだという、プロとしての自信が出てきましたか?
- 「いえ、やっていけるとか、やれるとか、そういうのもまだないです。」
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●Q7 プロの生活、1日中、野球づけの毎日はどうですか?
- 「やっぱりそれは、学生のときとは違いますね。野球だけを1日中やって、それが毎日ですから。学生のときは、学校に行ったりすれば環境が変わって、リフレッシュとは違うけど、自然と気分が変わったりしました。」
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●Q8 ファンや報道陣もいっぱいです。いつも注目されているのは気になりますか?
- 「最初の頃は慣れなかったので。でも、そうしたことを含めて、環境に慣れることが第一だと思ってました。今は大丈夫ですよ。」
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●Q9 グラウンドを離れたら、野球のことは考えないタイプ? それとも引きずるタイプ?
- 「まったく考えないですね。それがいいんだか、悪いんだかわからないですけど。たとえば、紅白戦で打てなくても、今日はこうだったなあとか、宿舎に戻ってきて、あれこれ考えたりはしないですね。」
- ●Q10 練習日記をつけたりしてますか?
- 「それもないです。グラウンドを離れたら野球のことは別に置いて、次の日グラウンドに入ったとき、それを取り出して、昨日の練習中に感じたこと、思ったことを確認してます。」
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●Q11 吉田義男さん(85年阪神日本一のときの監督)の指導を受けたり、話を聞いたりと、OBやチームの伝統をどう感じてますか?
- 「大学のときもOBに教えていただくことがありましたから、指導してもらうのは違和感ありません。でもファンの多さには驚きました。やはり伝統があるチームなんだと実感しました。それだけ、よけいにやらなければいけないという、励みにもなります。」
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●Q12 大阪と東京の違いを感じますか?
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「そうですね。ずっと関東、東京で生活してきましたので。これだけ地元の方に応援されていることは、想像できませんでした。大阪では阪神の番組があって、これは東京では見られなかったですから。」
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●Q13 去年の優勝はどんな感じで見てました?トラフィーバーは、1つの社会現象にもなりましたが。
- 「優勝が決まったころはリーグ戦の最中でしたし、阪神ファンの方と同じようなことはなかったですね。」
- ●Q14 前に優勝したときの印象は?
- 「その前って18年前ですよね。4歳だから…。??? わからないです(笑)。」
- ●Q15 岡田監督は大学の先輩ですが、どんなふうに感じてますか?
- 「6大学では安打や打点の記録で、常に自分より上にいた方なので、何とか抜きたいと思って目標にしていました。実際のプレーは見たことがありませんが、記録を追っていた人のもとでできるのは、プラスになると思っています。」
- ●Q16 その岡田監督とゆっくり話す機会はありましたか?
- 「いえ、まだないです。新人たち全員みたいな、1対多での機会はありましたけど、1対1はないです。監督というと、今は、グラウンドでの姿しか思い浮かばないです。」
- ●Q17 鳥谷さんが思う野球の魅力とは何ですか?
- 「サッカーみたいに時間が決まっているスポーツや、バレーのように決まった得点をあげれば終わりというスポーツもありますよね。でも野球は10点リードされていても、イッキに逆転するチャンスがあるし、最後までわからないというドラマがあります。0−5でも最終回に逆転できる。それが魅力だと思います。」
- ●Q18 野球は何を支えにやっていますか?
- 「両親が試合をよく見に来てくれたり、弟が2人いるんですけど、その2人も野球をやっているので、自分が先に辞めるわけにもいかなくて。その意味では、家族の存在がここまで頑張って来られた要因です。」
- ●Q19 弟さんが2人いるんですね。長男としての責任を感じてますか?
- 「それはあんまりないです(笑い)。」
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●Q20 男兄弟3人ではケンカもよくした?
- 「ちっちゃいころは、しょっちゅうでした。で、怒られるのは長男と決まってるでしょう。でも1番上でよかったと思ってますよ。」
- ●Q21 そんな自分にはリーダーとしての資質があると思う?
- 「自分ではわかりません(笑い)。」
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●Q22 性格を自己分析すると?
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「何でも自分でバシバシ決めて行くタイプではないですね。進路でも周りの話をきいて流れに乗っていくというか。ここがいいかなという感じで。」
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●Q23 好きな音楽は?
- 「とりあえず何でも聞きます。そのときの気分で。今ですか? ??? キャンプでもCDとか用意したんですけど、全然聞いてないです。練習が終わって帰ってきて食事して、夜間(練習)行って、道具磨いて風呂に入ったら、寝る時間ですから。」
- ●Q24 ファンレターやプレゼントも多いでしょうね。
- 「えっ、ファンレターが多いって、どれくらいのことを言うんですか。もらった手紙には目を通してます。だから、読めるくらいの数です。」
- ●Q25 お酒はよく飲みますか? 酒豪とのウワサもありますけど。
- 「えっ。ふだんは自分1人で飲むことはないですよ。だいたいオフとか付き合いがあるときだけで。それでもビール1、2杯程度です。」
- ●Q26 好きなタイプの女性は?
- 「タレントで何人かいます。というかいることになってます。聞かれたときの気分で、答えてしまったりするので。タイプ的には、かわいいって感じよりもきれいな人。今の気分ではK・Aさんと答えておきます。」
- ●Q27 野球を始めたきっかけは?
- 「よく覚えてないんですよ。小学校に入って、同じマンションの人が柔道をやっていたので、最初は柔道をやってました。それがある日突然野球をやりたいと言い出したらしいんです。親父はサッカーをやっていたので、ボールを使っての遊びはよくやっていたと思うんですけど。何がきっかけだったんでしょうね。弟たちは僕の影響だと思いますけど。」
- ●Q28 柔道、サッカー、野球。いわゆるスポーツ万能少年だったんですね。野球でなく他のスポーツでもオリンピック選手クラスになれたんじゃないですか?
- 「オリンピック選手、他のスポーツで、ですか? そんなこと考えたこともないです。」
- ●Q29 弟さんたちも野球をやっているなら、3人いっしょにというのも夢ですね。
- 「2人ともずっと同じ道を歩んでいるんです。小学校6年まで柔道をやっていて、シニア(リーグ=中学)、聖望(硬式=高校)で野球と。今、真ん中の弟は僕とは違う大学に行ってますけど。」
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●Q30 今まで野球を辞めたいと思ったことは?
- 「あります。中学を卒業するときに、野球を続けるかどうか、真剣に考えました。甲子園に行きたいとか、そういうレベルの話じゃなくて、まず野球というスポーツをどうするかという問題で。」
- ●Q31 結論は自分で出した?
- 「最終的には。でも、「他にやりたいスポーツがないんだったら、野球は続けてほしい」という両親の言葉で心を決めました。」
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●Q32 高校は聖望学園(埼玉)で甲子園にも出て、その頃から注目されていましたが。
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「技術的なレベルでは、自分は高校を選べる立場ではなかったです。高校に入ってから、伸びたと思ってます。だから、高校時代の監督の存在が大きかったんですね。」
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●Q33 高校時代の監督とは今でもやりとりがありますか?
- 「プロに入ってからは…。でもキャンプを見に来てくれました。」
- ●Q34 早大では、1年の春からリーグ戦出場と、早くから頭角を現しましたね。
- 「2年からは全日本に行ってやらせてもらったりして。でもチームに戻ったらみんな平等でした。全員の力で勝つんだという監督の考えで、勝利に対してどん欲でした。そのおかげで僕らの代は4人プロに入ったと思ってます(ほかに広島・比嘉、ヤクルト・青木、オリックス・由田の各選手)。」
- ●Q35 かつてのチームメートが今はライバルになりますか?
- 「お互い頑張ろうということではライバルと言えますね。大学のときは、練習ではアイツには負けたくないと思ってやっていたけど、試合になれば応援していた。試合で打ったらうれしかった。チームの勝利に対して1つになれた、そんな感じです。」
- ●Q36 先にプロ入りした同世代、たとえばダイエー川ア選手や日本ハム正田投手など気になりますか?
- 「気にはならないですね。意識もしていません。学生時代ダイエーのキャンプに参加したことがあるので、川アとは同じ年ということで親しみがありますけど。」
- ●Q37 さて、開幕を迎えるにあたって。
- 「1軍に残るためにも、結果を出さないといけないですからね。ここまでは、とりあえず慣れることが大事だと思ってきましたが、これからは周囲の人も結果で判断するようになると思います。」
- ●Q38 その辺の覚悟はできていますか?
- 「いろいろな投手と対戦しますから、その投手によって攻め方も違ってくるでしょうし。今までの経験でわかっているところもあれば、自分の経験したことがないものもあると思います。当然、いい結果も悪い結果も出てくるので、そうした中で精神的に安定してプレーできるか、ですね。その上で、これからがプロとして本当の勝負だと思っています。」
撮影/説田浩之 取材/藤原功 協力/土佐ロイヤルホテル
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