メンバー構成をみる限り、新生日本代表のテーマは「スピード勝負」のようだ。その象徴は左サイドバックで初選出されたG大阪の藤春選手。持ち味は、Jトップクラスのスピードで、利き足の左からの正確なクロスだ。昨季までは、守備面で課題があり出番が少なかったが、2月の宮崎合宿で会った時は「自分の足りないものを意識してやってます」と、守備意識を高めて挑み、課題もクリアしつつある。

 FW陣にも足の速い選手をそろえている。相手DFラインの裏を狙える選手を多く呼んでおり、縦への速いサッカーを目指そうとすることが、みて取れる。永井選手や興梠選手ら、スピード系の選手が多く、ドイツで結果を出している岡崎選手も、足はそれほど速くないが、相手DFラインの裏を取るのがうまい。

 以前から注目していた宇佐美選手も入った。代表で何を感じるか。本田のギラギラ感を、どう受け止めるか。G大阪と代表では状況が違う。ボールのないところでチームのために労を惜しまずに走ることができるか。彼が戦力となれば、日本代表はよりグレードアップするはず。素材が一級品だけに、変わってほしいし、期待感も高い。(日刊スポーツ評論家)