2018年W杯ロシア大会アジア2次予選組み合わせ抽選会は14日、クアラルンプールで行われ、6大会連続のW杯出場を目指す日本はシリア、アフガニスタン、シンガポール、カンボジアと対戦するE組に決まった。

 日本は組み合わせにかなり恵まれた。2次予選の相手をみれば99%の確率で突破できるだろう。もちろんサッカーは何が起こるか分からない。私もアジアの怖さを、身をもって知っている。ただそれでも、かなり恵まれた組だと感じる。

 2次予選の戦いそのものも大事だが、相手が相手だけにもう少し大きな視点で考えてみたい。約10カ月で8試合を戦うこの期間で、代表の活動を軸にしながらハリルホジッチ監督には日本サッカー全体にメッセージを発してもらいたい。

 すでにJリーグにおける選手の競り合いでの弱さに言及したり、14日の各クラブの社長を対象にした実行委員会では国内組の体脂肪率にまで触れたという。これは日本代表だけでなく、勝つためにどういうサッカーをするべきかという、Jリーグを含めた日本の全世代への提言だとみる。

 これまでのポゼッション(ボール保持)重視という美学にこだわらず、縦に速く攻めるスタイルを求める姿勢もそう。2次予選の試合を通じてピッチで代表チームが表現するスタイルを、注意深く見守りたい。そして日本サッカーの新たな道しるべとしたい。

 もちろん3年後のロシア大会に向け代表チームそのものの細かい整備も必要だ。ずっと指摘している守備の細かい課題、攻守においてセットプレーから点を奪い、点を与えないといった基本的な部分も。新戦力を発掘し、実績組にも刺激を与えながらチームとして1試合ごとに目に見える成長も示してもらいたい。(日刊スポーツ評論家)