<熱血秋田塾・九州キャンプ編/浦和>

 ギラギラとした野心を隠そうともしない様子が頼もしい。浦和の鹿児島・指宿合宿を訪れた。お目当てはMF関根貴大選手(20)。1月のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選でU-23日本代表から漏れたが、8月の本大会ではメンバー入りが期待される選手だ。練習から果敢に1対1を仕掛ける。絶対に相手を抜き去れるという自信がにじむ。1年前にも取材したが、その時にはなかった姿だ。

 国内最高の選手層を誇る浦和で1シーズンを通して主力であり続けた。関根選手は「試合に出れば出るだけ読まれてきて、壁にぶちあたった時期もありましたけど、12月の天皇杯のころにはそれも乗り越えられました」と話した。昨年にはなかった自信、野心がみなぎるのも当然だ。

 突破力も得点力も申し分ない。課題を挙げるとすればクロスの種類、精度だろう。本人も「去年はもっとアシストできた。周囲からも、抜ききった後が問題だと指摘される。中の選手の動きに合わせて、クロスの球筋を使い分けられるようになりたい」と言う。

 Jリーグはもちろん、五輪での活躍も期待したい。そう伝えると「代表はまとまりがあってすごくいいチームだけど、日本のサッカーを世界にアピールするためには個の力も必要だと思う」と応じた。当然、自分が個の力を示すつもりだろう。「オーバーエージ枠を奪い取るというか、使う必要がないと思わせるプレーをしていきたい」と関根選手。期待せずにはいられない。(日刊スポーツ評論家)