<W杯アジア最終予選:日本2-0タイ>◇B組◇6日◇タイ・バンコク

 楽に勝てる試合を、自分たちで首を絞めて苦しんだ。クロスの守備対応が苦手なタイに対して、もっとサイドを深くえぐればいいものを、速いクロスで中央にボールを集中させてしまった。初戦を落とした焦りはあっただろう。しかし両サイドが高いポジションを取っていたのに、そこを使わず、中央に放り込むばかりでは、なかなかゴールには結びつかない。そこをしつこく指示できなかったハリルホジッチ監督も、焦っていたかもしれない。

 浅野がスタメンで使えるめどが立ったことは大きな収穫だ。広島でもスーパーサブで使われることが多かったが、リオ五輪で90分戦えることを証明していた。スピードがある上、後半にもそのスピードが落ちない。彼のたぐいまれな能力だろう。不動だったはずの岡崎は面白くないだろうけれど、これで初めて1トップのポジションで競争が生まれる。(日刊スポーツ評論家)