日刊スポーツ評論家の秋田豊氏(47)による「熱血秋田塾・キャンプ編」の最終回は、鹿児島キャンプ中のジュビロ磐田。昨年、MF中村俊輔(39)を加えたチームは前年の13位から6位と大きく躍進。その要因と今オフの補強の充実度に迫った。

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 ジュビロが一番変わった部分が、クラブの一体感だ。往年の選手だったハット(服部年宏)が強化本部長をやって、名波が監督にいる。クラブへの愛着もあり、イメージを共有できる。彼らが一緒に現場に戻って来て、一昨年の13位から昨年は6位と着実にステップアップした。憎らしいほど強くてうまかった頃のジュビロを思わせるチーム作りができていると感じる。

 補強でもレベルアップが期待できる。ボランチの川辺(昨季32試合4得点)が広島に復帰。その穴は大きいと思っていたから、誰を取るのか注目していた。その中で、名古屋から元日本代表の田口を獲得できたことは価値がある。さらなる飛躍という面でも、良いチーム作りができると思う。

 何より俊輔の存在が大きい。今年40歳を迎える彼が、プロとしてなぜここまでできているのか。高校を卒業したばかりの頃は、本当に細かった選手が、今は近づいて来るとすごく大きい。それは実際の大きさだけではなく、積み重ねてきた経験や自信でさらに大きく見える。彼と一緒にできる選手たちはプレーだけでなく、サッカーへの向き合い方も学べるし、大きく影響しているはず。

 今季、名波監督はトップ5を狙うと言っているが、ACLを狙えるところまではいきたいと思っているだろうし、十分可能だと思う。ぜひ、そこにトライしてほしい。(日刊スポーツ評論家)