<国際親善試合:日本1-2ウクライナ>◇27日◇ベルギー・リエージュ

 決断の時期だ。日本協会はハリルホジッチ監督の去就を真剣に考えないといけない。今の戦術で、日本はワールドカップ(W杯)で勝てない。この監督でW杯は戦えない。大きな変化をもたらさないと、このチームを変えるのは難しい。

 失点シーンを振り返ってみよう。まず1点目。植田の上にボールが飛んだが競り合えず、その後長谷部が奪いにいったが取れず、失点につながった。そして2点目。酒井高が奪いにいったが取れず、山口のスライディングはかわされた。結局、相手に余裕たっぷりのシュートを打たれた。

 W杯に出られないウクライナに、日本は何ひとつ勝てなかった。技術も戦術もデュエル(球際の攻防)も、全ての面で太刀打ちできなかった。攻めのタイミングで11人の考えは統一されなかった。半分は速攻、半分は遅攻を考えているようでは、相手にすぐ取られる。実力で劣るなら組織力で対抗すべきだが、今の指揮官にその求心力はない。

 極端なことを言うが、監督が代わらず、それでもW杯で勝ちたいなら、8年前に岡田監督が取った超守備的な戦術しかない。たとえ、日本のサッカーが8年分後戻りしたと言われても、それしか勝ち点を稼ぐ方法はない。(日刊スポーツ評論家)