西野監督は、理想と現実の葛藤があるはず。「できればオフェンシブな戦いをしたい」と言っていた。しかしFIFAランク60位の日本が、格上3チーム相手に攻撃重視の戦いを仕掛けるのは、ある意味、相手にとってはありがたい選択と言える。その時点で、日本の1次リーグ突破の確率はかなり下がるはずだ。

 西野監督の「攻撃好き」は有名な話で、タレントがそろったガンバ大阪ではアジアの頂点にも立っている。しかし、日本が勝つため、思いっきり守備から入る選択肢があってもいいのではないだろうか。

 田嶋会長は、ハリルホジッチ監督を解任した理由として「勝つ可能性を1%でも2%でも上げるため」と説明している。西野監督も勝つ可能性を1%でも上げるため、理想を捨てる決断をすることが必要で、守備重視の人選が必要ではないだろうか。(日刊スポーツ評論家)