私の中で「最もセンターバックらしい」と思っていた選手が呼ばれた。DF昌子は、日本人のセンターバックの中では、最もバランスの取れた選手だと思っている。対人マークに強く、球際も激しい。ラインコントロールもビルドアップもそつなくこなす。吉田がリベロタイプなら、昌子はストッパータイプ。2人が組むことで、相乗効果が期待できる。

 9月の2試合(5日のウルグアイ戦、9日のベネズエラ戦)では、DFラインからのビルドアップミスが原因で、3度失点した。DF陣のミスは失点に直結する。今回、DFラインで新たに4人を加えたことは、テストの意味合いが強く、昌子は対人マークやヘディングをさらに磨くと、代表定着できるはずだ。

 センターバックの塩谷と両サイドバックの太田と西は攻撃参加を得意とする。守備的だった9月の2試合から、攻撃にも力を入れるという指揮官のメッセージが感じられる。アギーレ監督は「1月のアジア杯まで残るテストマッチは4試合」と言っているわけだから、DF4人は、自分の持ち味を出し切って代表に新たな引き出しを加えてほしい。(日刊スポーツ評論家)