年間首位に立つ広島のMF柏好文(28)がキレのある動きを見せている。「データスタジアム」の統計で、今季のドリブル数はリーグトップの107回、成功数も1位の76回。成功率71%はもちろんリーグ最高で、ドリブル数ランキングでトップ10入りするドリブラーの中でも群を抜く。

 ここでいうドリブルとは「対峙(たいじ)した相手を抜こうとしたプレー」。ボールを持ち上がっただけではカウントされない。あくまで「1対1」の仕掛け。相手を抜いたら成功、ボールを奪われたら失敗となる。今季の柏は持ち場の左サイドで躍動し、クロス数もリーグ3位。ドリブルで相手をかわしてからクロスを上げるという一連のプレーで好機を演出し続ける。

 首位チーム不動のMFだが、来月の東アジア杯代表には入っていない。そのメンバーを見ると、MF陣はいずれも中央、インサイドの選手で占められ、柏のようにアウトサイドが主戦場の選手は予備登録50人のリストにも載っていない。Jリーグで好調の3-6-1布陣のウイングバックだが、ハリルジャパンは4-3-3を基本とするためか、第1ステージを制した浦和の両翼(宇賀神、関根)らとともに現状では選外となっている。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)