甲府が堅守でJ1残留を決めた。今季はここまで10勝6分け16敗で年間11位だが、その10勝はいずれも完封で記録。1-0が6試合、2-0が4試合と3得点以上での勝利は1度もなかった。通算22得点は来季J2降格が確定している山形の23点を下回りJ1最少も、守りを固めてワンチャンスを確実にものにする戦い方で2節を残してJ1残留を確定させた。

 開幕から苦戦は予想された。主力DFの佐々木と青山が移籍。金銭的な問題から目立った補強もできなかった。守備が崩壊し、開幕11戦で2勝9敗と最下位を独走。そうして5月13日に樋口監督が退任し、佐久間監督が後を引き継いだ。

 その窮地に合計111歳のベテラン3バックが奮起した。佐久間監督の初陣となった5月16日の山形戦。41歳の土屋、35歳の津田、35歳の山本というDF3人が今季初めて先発3バックとしてコンビを組んだ。2-0で完封勝利を飾ると、以降は8勝6分け7敗と勝ち越し。その3人が3バックで先発した試合に限れば、7勝3分け3敗の好成績だった。経験豊富なDFを中心に虎の子の1点は必ず守り切り、J1の座も3年連続で守り抜いた。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)