<W杯アジア2次予選兼アジア杯予選:日本5-0シリア>◇E組◇29日◇埼玉

 日本の課題である「得点するチャンスをつくる」ができていた。アフガニスタン戦と同じ5得点でも内容は全く異なる。ダイレクトプレーや3人目、4人目の動きだったり、相手にこれで突破されたら仕方ないと思わせるバリエーション豊かな攻撃。グループで意図を共有できていたからだ。シュートの精度という問題点はあるが、次々と好機を生み出した。

 中央で崩す場面が多かったのは長友の「陰のアシスト」が光ったからだ。サイドにボールが出ると味方を追い越し、相手DFの意識を引き出した。ボールが出なくてもオーバーラップし、効いていた。世界基準に近い人間がああいうプレーをする意義は大きい。気になったのは攻めている間のバランス。速攻に対するポジショニングとバランスに課題を残した。攻撃と同じように、守備でもチャンスをつくらせない、インターセプトするといったグループ戦術を高めてほしい。(日刊スポーツ評論家)