<国際親善試合:日本1-0ジャマイカ>◇10日◇デンカS

 細貝選手が非常に目立っていた。アンカーというポジションで、守備ではボールの奪いどころを決める役割を担い、攻撃ではパワーとスピードを与えていた。いい守備から、いい攻撃。うまく前線の選手に指示を出し続け、チームとして機能させていたように見えた。前回は1列前でプレーしていたけど、DFラインの前で守備と攻撃の橋渡し役という所属クラブでもやっているポジションで、効果的に動いていた。

 印象的だったのが、インターセプトしたボールをダイレクトで、FWへ鋭く縦パスを入れたシーン。細貝選手も狙っていたし、そのタイミングで前線の選手も動きだしていた。コンパクトにしていい距離感で守れていたから、パワーとスピードを感じる攻撃ができた。初戦では見られなかったけど、堅守速攻を基本としたアギーレ監督が目指している形が見えた。

 今回のジャマイカとの力関係を考えれば、1-0というのは確かに寂しい。だけど、チームとしてどういう組み立てや、戦いをするのかということが、見えてきている。また、新しい選手たちが自分の特徴を知ってもらおうと、動いていたことがよかった。わずかな出場時間だったが太田選手の1本の左クロス、小林選手のシュートまでの形、初出場初先発の塩谷選手もまったく物おじしていなかった。常連組の柿谷選手ならではの、裏への動きだしもあって面白かった。

 あとはこれをブラジル戦でどこまでやれるか。世界トップと戦うためにアギーレ監督がやろうとしていることが出せるかどうか。楽しみだね。(元日本代表FW)