<東アジア杯:日本1-2北朝鮮>◇2日◇中国・武漢

 この試合を見たら、ハリルホジッチ監督も、普通の監督なんだなぁと認識したよ。彼のパフォーマンス好きなキャラのせいもあるけど、来日してちょっと騒ぎすぎたし、期待しすぎた。でも、それほど日本代表は育ってない。引き分けたシンガポール戦の後で、この負け方。尾を引くよ。

 監督が起用した11人は、チームになっていなかった。ボランチに守るタイプの2人を置いたことで、ボールをキープしたり、リズムをつくることができなかった。長友や内田の負傷で、新戦力の台頭を期待していた両サイドバックは攻撃力を欠いた。1アシストのDF遠藤も、コンスタントな展開力はなかった。

 1トップに入った川又は背の高いDF2人にやられっぱなし。全体的に見ても相手のハイペースな守備にボールをキープできず、球際も北朝鮮の激しさに耐えられなかった。

 情けないのは、うまくいかない時に「オレがリーダーだ」という選手がいなかったこと。普段チームを仕切っている海外組がいなくなったら、どうしようもなかった。この状況で、若い選手たちがブレないようにどこまで通常の精神状態に戻せるか。これから本当のハリルの手腕が見えてくる。(日刊スポーツ評論家)