2018年はW杯イヤー、サッカーイヤー、それも平成最後のW杯になる。日本の歴史の1つの締めくくりに、世界最大のイベントが行われ、将来「あれは平成最後のシーズンだった」と振り返る年になる。日本は誰が出て、どんな結果を残すのか、期待は高まります。翌19年には新しい年号になり、ラグビーW杯イヤーになる。20年は東京五輪イヤーだ。

 平成最後のシーズンになるJリーグは25周年を迎える。偶然重なったが、この節目に1度振り返ってみることが必要だ。良くなった点、伸びた点、そうでないところ、冷静に検証する大事な1年だ。

 かつてJリーグには名だたる外国人選手がいた。ジーコ、ストイコビッチ、ドゥンガらが日本に与えた影響は大きく、またFW勢も力のある選手が多かった。近年は日本選手が得点王になることは珍しくないが、日本選手のレベルが上がったというより、助っ人の質が下がった感じだ。それはリーグのレベル低下につながる。競争に激しさが足りなくなるからだ。

 現在のセリエAが似ている。超一流の外国人選手はプレミアやスペインに流れており、イタリア代表選手はその両リーグには行かない。競争が緩くなり、若手の台頭が乏しい。以前よりレベルが落ち、欧州舞台で優勝を狙えるのはユベントスくらい。代表チームはW杯出場を逃した。

 進歩するには競争が必要だ。Jリーグでは外国人枠を増やしてはどうか。日本選手を過保護にしてはレベルは上がらない。トランプ大統領が米国の自動車産業を守ろうとするが、それでは米国の技術は伸びない。日本はドイツ車に負けまいと開発を重ねる。開発とはレベルを上げること。日本はビジネス面ではとても競争力がある。

 また、J1は最初の10チームから18チームにまで増えた。飲食店が「お客が増えたから」とスープに水を足したようなものだ。これも強化にはならない。14チームに戻せば、落ちる4チームのいい選手が残る14チームに移るから“濃さ”を取り戻せるかな。アジアが世界と戦えなくなったのも、W杯出場枠が4・5になったから。2枠ならもっと必死になる。

 平成最後のシーズンに25年間を清算するチャンス。バロメーターはW杯で日本代表がどういう結果を出すか、それがJリーグの進化を示すはずだ。(日刊スポーツ評論家)