<国際親善試合:日本1-2ウクライナ>◇27日◇ベルギー・リエージュ

 まるでウクライナの方がワールドカップ(W杯)に出るチームのようだった。球際の強さや展開力など素晴らしく、日本は何度も崩され、2失点で終わったのは幸いだろう。

 日本は攻撃の形がない。相手のボール回しの前にプレスがかけられない。長谷部や山口といったゲームをつくる選手にパスミスが多かった。結局、球の回し方や収め方、トラップ、展開力、すべての技術が負けているんだ。

 この遠征でW杯メンバー入りへ、メドの立った選手はいない。それが悔しい。原口も杉本も久保も、立場をよくできなかった。本田はサイドから中へ切り込んでシュートを打つという、本来期待されるプレーができなかった。パチューカでは得点に絡んでいるけど、形が違うんだろう。

 今の日本代表はどういうチームなのかわからない。チームの基盤がなくなっている。ハリルホジッチ監督と選手の間で意識が合っていないんじゃないかな。

 昨年11月のブラジル戦、今回の2試合を“仮想W杯1次リーグ”とするなら、1分け2敗で勝ち点1だ。本当ならこの日の“仮想ポーランド戦”は何が何でも勝ち点3を目指すべき試合だ。そのがむしゃらささえ感じられなかった。(日刊スポーツ評論家)