J1は残り5試合となり、優勝争いと残留争いで激しい戦いが繰り広げられています。J1に限らず、J2やJ3もシーズン佳境を迎え、ますます注目度が高くなる季節になりました。特に今年は静岡県内に拠点を置くチームが話題を集めるかもしれません。カテゴリー別に見ていきたいと思います。

 まずはJ1です。私が担当する清水は現在、年間順位で最下位に低迷。93年のJリーグ創設からJ1を死守してきた「オリジナル10」がクラブ史上初となるJ2降格の危機にさらされています。残留のボーダーラインとなる年間15位の新潟とは勝ち点差が「8」。05年以降、残り5試合の時点で最下位だったチームが残留できた例はありませんが、田坂和昭監督(44)は「気持ちを1つにして戦う」と諦めない姿勢を強調していました。

 続いてJ2です。磐田はJ1自動昇格圏内の2位を死守。前節群馬戦ではJ2得点ランクトップのFWジェイ(33)がケガで不在の中、DF駒野友一(34)が決勝点を挙げて勝利しました。残り8試合で3位のC大阪とは勝ち点差が「5」。昨年はプレーオフで敗れJ1昇格を逃しているだけに、今後の戦いぶりに注目です。

 J3では藤枝が奮闘しています。9月9日の天皇杯2回戦では格上の清水を4-2で下し、クラブ史上初の3回戦進出を決めました。今月14日に行われる3回戦の相手はJ1山形。大会の醍醐味(だいごみ)でもある番狂わせを再び起こせるのか、期待が高まります。

 最後はJFLです。先月14日に元日本代表FW中山雅史(48)がアスルクラロ沼津と3カ月契約を結びました。明日3日のソニー仙台戦(沼津・愛鷹競技場)でメンバー入りする可能性があり、現役復帰を目指すゴン中山のカムバック劇が実現するかもしれません。

 早いもので2015年も残り3カ月。秋風が吹く季節になりましたが、まだまだ熱いバトルは続きます。勝負の世界ではカテゴリーに関係なく、目の前の一戦に全力を尽くす姿が見る人を魅了します。今年は最後にどんなドラマが起こるのか-。サッカーが盛んな街「静岡」でも最後まで目が離せません。

 ◆神谷亮磨(かみや・りょうま)1985年(昭60)8月28日、静岡市清水区生まれ。幼稚園からサッカーを始め、高校は東海大静岡翔洋(旧東海大一)でプレー。08年入社。11、12年はJ2磐田を取材し、今季から清水担当。