デュアリグFリーグ(日本フットサルリーグ)に、あのロベカルが参戦する。

 サッカー元ブラジル代表DFロベルト・カルロス(45)が、9月7~9日の共同開催大阪ラウンド(丸善インテックアリーナ大阪)の仙台とのリーグ戦(9日)に「Fリーグ選抜」の一員として出場することが決まった。

 Fリーグは今季から、若手育成を目指し、23歳以下で「Fリーグ選抜」というチームを結成した。シーズン前に、各クラブからレギュラーではない若手を1人ずつ集め、チームをつくった。試合の度に集まるJリーグの選抜チームと違って、Fリーグは1年間、ともに練習する。本拠地は名古屋で、第9節が終わった現在、12チーム中7位と健闘している。

 サッカー関連のリーグ戦で、Fリーグの存在はそれほど知られていないのが現状だ。頂点にJリーグがあり、女子リーグのなでしこリーグ、アマチュアリーグのJSL(日本サッカーリーグ)、大学のリーグ戦、高校生のプレミア、プリンスリーグなどがある。存在感の薄いFリーグだが、独自でスポンサーを集め、しっかりと黒字経営を続けている。12年1月には横浜FCのFWカズ(三浦知良)をリーグ戦に出場させるなど、世間に絶えず存在感をアピールし続けている。

 日本サッカー協会のバックアップ体制も充実している。田嶋幸三会長の理解が深く、小倉純二前会長がFリーグのCOO(最高執行責任者)を務めており、今季から岩上和道副会長がフットサルを担当している。9月にはサッカー協会内の組織改編があるが、フットサル部は存続の見込みだ。スポンサー集めに難航中のなでしこリーグとは対照的に、地道に応援してくれる企業を集める努力が認められたと、思われる。

 今回のロベカル参戦が、リーグ戦にどう影響するか。発表同日のファンの反応は熱かった。

 「PKは蹴らしちゃダメ」。「仙台のGKは死ぬんじゃないか」。「骨折選手続出じゃないか」。「絶対に見に行くぞ」など。

 さらに出場が決まった際にはロベカル本人が自撮りでビデオ映像を作成し、Fリーグ事務局に送ってきてくれるほど、本気モードだ。子供の時はフットサルで技術を磨き、サッカーに転向した実績があり「実は僕、フットサルのスペシャリストなんです」とコメントしている。真面目な性格で、日々のトレーニングも充実にこなしていると思われる。

 小倉COOは「今回のチャレンジが成功したと判断したら、来年以降も海外の大物を呼んでいきたい」と話している。今回の挑戦には、Fリーグのほとんどの試合を中継するabemaTV(アベマTV)が積極的にPRし、テレビ朝日も協力しており、Fリーグの存在を世間に知らせるには、成功した。

 あとは、共同開催大阪ラウンドの客入りだ。集客数が今回の成否を判断するバロメーターとなるだけに「満員御礼」の札が出ることを願う。来年以降はロナウジーニョやカカ、シャビら、幼少年期にフットサルで鍛えて成功を収めたスター選手をまたリーグ戦で見ることもできるはずだから。【盧載鎭】

 ◆盧載鎭(ノ・ゼジン)1968年9月8日、ソウル生まれ。88年に来日し、96年に入社。2年間の相撲担当を挟み、20年以上サッカー担当。猛暑に負け、自宅ではほぼ24時間エアコンをフル稼働中。

【盧載鎭】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)