福井国体の閉会式が今月9日に行われ、11日間にわたる大会が幕を閉じました。静岡県は男女総合成績を争う天皇杯は19位、女子総合の皇后杯は13位。個人種目での奮闘が目立ったのに対し、団体種目では苦戦を強いられました。

特にサッカー競技において、静岡県勢は残念な結果に終わりました。少年男子、成年男子、女子は全て初戦敗退。全3種別がそろって初戦で姿を消すのは、史上初のことでした。

取材した少年男子、女子は似たような展開で敗れました。圧倒的に攻め込みながらもゴールが遠い展開。少年男子は先制するも直後に追いつかれ、PK戦負けで、増田裕監督(44=富士東教員)は「選手たちはよくやってくれました。静岡県の負けパターンです」と言いました。確かにこれが、今、静岡県サッカー界の課題になっています。

女子も0-0の試合終了間際に、左CKから決勝点を献上しました。小花浩司監督(日産クリエイティブサービス)は「県のサッカー協会と相談します」と、無念の表情で会場を後にしました。高い技術をベースにした「静岡らしさ」を追及するのか。違った角度から勝利を求めるのか-。その答えは見いだせていませんが、1つだけはっきりしているのは、点を奪わなければ勝てないということです。崩しに労力をかけすぎて、ゴール前の迫力を欠く…そのような場面が、この国体でも多くありました。

既に静岡県では、全国高校サッカー選手権県大会が始まっています。13日には第1次トーナメント3回戦が行われ、32強が決定しました。昨年優勝の清水桜が丘、8月の全国総体に出場した藤枝東、プリンスリーグ東海で首位の静岡学園など、強豪校は順当に勝ち上がっています。

ただ、昨年度までの全国選手権で静岡県代表校は、3年連続初戦敗退。大会史上初めての状況で、今年の代表校は4年連続にならないように願うファン、関係者からのプレッシャーも感じることでしょう。それも含めて課題をどう克服していくのか、ゴールを奪っていくのか…。サッカー愛の深い静岡県で取材する記者として、今後、生まれるであろう「変化」を伝えていきます。


◆古地真隆(こち・まさたか)1993年10月14日、静岡県沼津市生まれ。今年2月、静岡支局員として入社。J3沼津、アマチュアサッカーを担当。スポーツ歴はサッカー、野球。