<高校サッカー:鹿島学園1-1(PK3-2)一条>◇30日◇1回戦◇国立

 鹿島学園(茨城)が開幕戦で一条(奈良)をPK戦の末に下し、2大会ぶりの勝利を挙げた。初の国立という緊張から浮足立つ場面もありながら、1-1でPK戦に突入し、GK長峰大樹(3年)が2本止める活躍で、3-2と競り勝った。一昨年度3回戦の星稜戦も、昨年の県大会決勝の水戸短大付戦もPK戦で敗れていたが、今回はリベンジに燃える守護神のパワーで「鬼門」を乗り越えた。

 ラスト5本目のPKを止めた長峰は、両手を突き上げ仁王立ちした。飛びつく仲間の渦にのみ込まれた後、歓喜のダッシュ。「PK戦ではGKが止めればヒーローになれる。でも、ここまで目立てると思いませんでした」。

 GKとしては決して高くない175センチの身長を補う、抜群の読みが光った。FWだった経験を生かし、PK時はキッカーが蹴りづらくなるよう体を動かし、反応を見て蹴る方向を判断。1本目は運良く枠を外れたが、完全に方向を読んだ。2本目は左に跳んだところ中央に蹴られたが、足を伸ばし、はじいた。最後の5本目は完ぺきに止めた。

 2つのリベンジを誓っていた。背が低いことを理由に、鹿島ジュニアユースからユースへの昇格を見送られ鹿島学園に進んだ。FWだった平井小3年時はジュニアのテストで落とされ、6年でGKに転向し、再受験して入団しただけに「高校で頑張ってるところを見せたかった」。チームも一昨年度、星稜にPK戦で屈し3回戦敗退。昨年も水戸短大付との県決勝で0-0からのPK戦を落とした。2年連続でPK負けを、外から見詰め「ジンクスを覆してやる」と狙っていた。

 「背が伸びる」と言われ、自宅に跳躍器具を置いて跳んだりもした。最近は柏の菅野ら170センチ台でも活躍するGKが出てきたことを励みにしている。卒業後は日体大に進み、高校教師となって選手権に教え子を連れて行くことが目標だが、プロをあきらめたわけじゃない。鈴木監督に「PK職人」と言われ、長峰は「小学生時代からPK戦では1回しか負けたことがない。自信はあります」と誇らしげだった。【村上幸将】