<高校サッカー:大阪桐蔭5-0不来方>◇31日◇1回戦◇市原
初出場の不来方(こずかた)が、選手権の雰囲気にのまれた。岩手県勢5年連続8強の期待を受けて全国に挑んだが、まさかの5失点大敗。長谷川監督は「サイドを狙われて人数が足りなくなった。キャプテンの穴を埋められず、自分たちのサッカーができなかった」と嘆いた。そのサイドを守るはずだった右SBの上小林主将は負傷でベンチスタート。残り10分間だけ意地でピッチに立って積極的にシュートも放ったが、流れは取り戻せなかった。
上小林は守備の要としてチームを高校総体3試合無失点に導いた。正確なキックでセットプレーの中心にもなっていた。だが、昨年11月2日の県大会決勝で右ひざ内側側副靱帯(じんたい)を損傷。「全治2カ月で初戦は厳しい」と診断された。この日までの練習試合はすべて欠場。高酸素カプセルや電気療法で本戦出場を目指した。完治しなかったが、痛み止めを飲んで強行出場した上小林は「正直、万全な状態で出たかった。でも、最後の10分間だけ選手権の舞台に立てて幸せでした」と話した。
激戦区の岩手を勝ち抜いて高校総体と選手権に初出場。学校に新たな歴史を刻んだ主将は「チームのみんなが最後まで助けてくれた。ありがとう」。あとは涙で言葉にならなかった。【木下淳】



