高校サッカー界最強イレブンが凱旋(がいせん)帰広した。第87回全国高校サッカー選手権大会で優勝した広島皆実イレブンが歴史的勝利から一夜明けた13日、優勝旗とともに広島に到着。チーム初の、県勢では1967年(昭42)度の山陽以来となる41大会ぶりの快挙を達成したイレブンが、慣れ親しんだ地元で満身創痍(そうい)の体を癒やす。

 国立での激闘から一夜明け、ハードスケジュールが優勝の実感を増幅させた。午前5時起床→生番組出演で都内スタジオ入り→品川の宿舎に一度戻り→帰広準備&お土産購入→JR品川駅で新幹線のぞみ67号乗車→JR広島駅到着→駅構内で優勝報告会→広島市内の民放局入りしてチームは解散。その後も藤井監督やDF松岡主将ら数名がNHKに向かうなど、まさに分刻みだ。「新聞の一面を見て、優勝の実感がわいた」(松岡)。

 大会史上3番目の若さとなる35歳でチームを日本一に導いた藤井監督は、約200人の市民の前で「ご声援、本当にありがとうございます。念願だった優勝旗を広島に持ち帰ることが出来ました」と優勝報告。優勝旗を手に松岡は「広島にとっても大きな優勝です。応援していただき、ありがとうございます。広島にとっても大きな優勝。ただ、勘違いすることなく練習に励みます」。

 昨年12月28日以来、16日ぶりに踏む広島の地。ホーム到着時には、偶然居合わせた乗客からも拍手が送られた。41年間の空白を埋めたイレブンは、晴れやかな顔で広島に凱旋(がいせん)した。【佐藤貴洋】