<サッカーai:青森山田2-0神戸科学技術>◇2日◇2回戦◇市原

 高校総体ベスト8の神戸科学技術が青森山田の前に敗戦し、彼らの選手権が幕を閉じました。

 「立ち上がりは悪かったんですが、途中、ペースを掴んで、これはいけるなと思ったんですけどね…」。最後のミーティングを終えたキャプテンMF洞ケ瀬が目を真っ赤させ、声を振り絞って報道陣の質問に答えていました。応援してくれる多くの人たちのために、気持ちの入ったプレーをしよう、そして途中交代したFW伊佐のためにも頑張ろうと、キャプテンとして、チームメートに必死に声をかけ続けていました。

 このチームが立ち上がったとき、みんなの投票で決まったという『キャプテン』。しかし、洞ケ瀬自身は過去1度もキャプテンの経験がなく、150人を超える部員数に「自分にはできない。まとめられない」と葛藤の日々を過ごしました。何度も辞退することを考えましたが、「チームメートのみんなが信頼して選んでくれたキャプテンだから」と覚悟を決め、ピッチ内外でチームをまとめようと努力したのです。

 選手権の重圧で、「不安というか、自分自身のプレーもうまくいかなくて」と、県大会中、キャプテンに任命されて以来、たった1度だけ鈴木監督に相談したこともありました。しかし、最後までキャプテンの仕事をまっとうした洞ケ瀬。総体以上の成績をと臨んだ選手権は残念な結果に終わりましたが、悔しさを次のステップを糧にして、成長するはず。大学でもサッカーを続け、夢を追います。(サッカーai編集部・石井宏美)