<高校サッカー:駒大高2-1大津>◇1回戦◇30日◇国立

 将来を嘱望される大津(熊本)の「スーパー1年生」が開幕戦で散った。185センチのU-16(16歳以下)日本代表DF植田直通が試合終了の瞬間、ピッチに額を押しつけて悔しがった。「自分が甘かった。もっと練習して戻ってきたい。1回戦で勝てないんじゃ話にならない」。

 小学校時代、植田はテコンドーで日本一に輝いた。フィジカルの強さと50メートル6秒2のスピードを武器にするが、この日は緊張から動きが鈍く本来の力が発揮できない。前半7分に自身のクリアミスから先制され、1-1で迎えた後半27分には素早い相手FWをマークしきれず勝ち越しゴールを許した。

 熊本県勢と東京都勢の開幕戦対決は2大会連続で、前回ベスト8まで勝ち上がったルーテル学院に続くことはできなかった。早すぎる敗退だった。

 植田は今年10月に開幕したU-16アジア選手権(ウズベキスタン)で守備の要として活躍し、来年メキシコで開催されるU-17W杯の出場権獲得に貢献。しかも、横浜、鹿島が徹底マークしている逸材だが、ほろ苦い「選手権デビュー」となってしまった。【菊川光一】