<高校サッカー:京都橘2-1帝京長岡>◇5日◇準々決勝◇ニッパ球

 京都橘(京都)が、粘る帝京長岡(新潟)を振り切り、2度目の出場で初の4強進出を決めた。チームを勢いづけたのはFW仙頭啓矢(3年)だ。前半9分、FW小屋松のクロスを右足で合わせて先制点。2点リードした後半は防戦一方となったが、主将としてチームを鼓舞し相手の反撃を1点に抑え逃げ切った。仙頭は「気持ちで守り切れたと思う」。3日の丸岡戦は3アシストながら無得点とあって「やっぱり点を取れるのは気持ちいい」と笑った。

 確かな技術の源は、小学校低学年の時に母朋子さん(40)に付いていったバレーボールだ。母の強烈なアタックや、ぶれ球のサーブをトラップし続けた。どのタイミングで足を引けば威力を吸収できるか、自然とこつをつかんだ。息も絶え絶えだった後半に、チーム唯一のシュートを打ったのも仙頭。バーにはじかれたが、反撃に転じた相手へのボディーブローとなった。「ずっと夢だった国立の舞台。全国制覇したい」。視線は準決勝に向けられた。