<第2部国立で輝く男たち(2):東福岡FW木戸皓貴>

 東福岡のU-18(18歳以下)日本代表候補FW木戸皓貴(3年)が、選手権の「得点王&優勝」を誓った。憧れのイングランド代表FWウェイン・ルーニー(マンチェスターU)ばりの鋭いキレで、今年はゴールを量産中。ブンデスリーガのレーバークーゼンが興味を示したほどの逸材が、かつて全国2連覇を飾った名門を復活へと導く。

 木戸は今年、Jリーグユースの強豪ひしめく高円宮杯U-18プレミアリーグ・ウエスト(西地区)で得点ランク2位タイの11ゴールを挙げ、チームの2位躍進に貢献した。フィジカルの強さと50メートル6秒3のスピードを生かした俊敏な動きに、レーバークーゼンのスカウトも度肝を抜かれたという。卒業後は将来を見据え、明大に進学する。「大学でもっと成長してJリーグに行き、最終的に海外でプレーしたい」と志は高い。

 憧れのルーニーの試合は、日ごろからテレビやDVDでチェック。「シュートセンスやパワーがすごい。あの身長(178センチ)で競り負けしないプレーから学ばせてもらっています」と尊敬する。飛び出すタイミングや位置取りなどの動きを脳裏に焼き付け、試合や練習で実践することを心掛けている。

 日本代表選手が活躍するブンデスリーガを始め、好きなスペイン代表FWダビド・ビリャの試合からも多くを学び、成長の糧にしてきた。5月にU-18日本代表候補合宿に参加し、意識や技術の高さを学べたことも宝だ。

 今夏、左足の小指付近を疲労骨折して手術した。だがその間、徹底した体幹や筋トレでより体力強化が図れたという。今回の選手権福岡大会途中から戦列復帰後、「倍返し」と言わんばかりの大活躍だ。同決勝では、2月の新人戦以来2度目のハットトリックで4年ぶり15度目の優勝に導いた。国立最後の夢舞台へ「得点王を狙う。最後の国立で優勝し、名門復活と言われたい」と気合十分。97、98年度に選手権2連覇を成し遂げた名門の復活へ、準備は整った。【菊川光一】

 ◆木戸皓貴(きど・こうき)1995年(平7)6月28日、熊本県生まれ。サッカーは小1で始め、小4~中3まで熊本ユナイテッドSCに所属。小6で全日本少年大会に出場。東福岡では1年からベンチ入りし、2年新人戦からレギュラー。176センチ、65キロ。家族は両親、祖母、兄。