<高校サッカー:桐光学園1-0高知商>◇2日◇2回戦◇ニッパ球

 前年度4強の桐光学園(神奈川)が初戦突破した。前半14分、1年生FW小川がヒールで狙ったシュートがDFに当たり、ゴール中央にこぼれた球をMF蔭山が押し込んだ。勝ちはしたが、試合自体は空回り。鈴木監督は「こんな試合じゃ大西に怒られる」と怒った。

 その選手は、昨年8月16日に血液の病「血球貪食症候群」で亡くなった3年生DF大西健太さん。今大会は彼の背番19を本人不在で登録。1人少ない24人で戦う。鈴木監督は「その分、入れなかった選手がいて賛否両論ありますが、チーム全員で戦うため」と異例の決断を下した。

 前日1日には、OB中村を擁する横浜が天皇杯に優勝。一足先に「最後の国立」で勝った。中村は栃木県内で営まれた大西さんの通夜にも参列。この日は駆けつけなかったが、選手は前日のテレビ観戦を通して刺激を受けた。決勝点の蔭山は「ニシケンと俊輔さんを意識して点を取った」と振り返った。