俊輔4次元の揺さぶりでベトナムに勝つ

- ゲームを想定した練習で、MF今野(左)をかわしボールを追うMF中村俊
「4次元殺法」でベトナムのスタミナを削り取れ! アジア杯3連覇を目指す日本代表は今日16日、1次リーグ最終戦でベトナムと対戦。MF中村俊輔(29)は、運動量を生かして健闘する難敵対策として、パス交換などで揺さぶり、相手を疲れさせる作戦を掲げた。<1>横方向<2>縦方向<3>高さ <4> 時間軸(試合運び)という4次元の揺さぶりで、開催国から地元の利を奪う。B組首位の日本は、引き分け以上で決勝トーナメント進出、勝てば1位突破となる。
最大の武器を生かすために、中村俊は入念にボールを蹴り続けた。ベトナム戦前日の練習の終盤。確かめるように5本のFKをゴール前に送った。フィールド最長身DF中沢の頭、鋭く守備ラインの裏を狙うDF阿部の頭と、目標に向け正確に着弾させた。
「どれだけジャブを打っていけるか。揺さぶりをかければ、相手は後半バテるはず」。ベトナムを守備に走らせ、体力を奪って主導権を握る。そのために中村俊がまず挙げたのが<3>高さの揺さぶりだ。「ただ放り込めばいいわけじゃないけど、セットプレーは得点のチャンス」。予想先発11人の平均身長179センチの日本に対し、ベトナムは172センチ。この差が最も出るのがセットプレーだ。「芝の質や場所次第で、どんな蹴り方をするかを確かめた」。居残りで、直接ゴールを狙うFK練習も重ねた。
もちろんピッチ上の平面でも揺さぶる。「UAE、カタールはベトナムを揺さぶれていない。横に揺さぶるだけでは(不十分)」。中村俊はオシムジャパンのお家芸であるサイドチェンジという<1>横方向に加え、DFライン裏を狙うパスによる<2>縦の揺さぶりが必要と強調する。「サイドDFの裏に蹴ったり、FWや自分が前線に走り込んで、後ろの阿部から長いボールを蹴ったりとかが大事だと思う」。FW巻らの高さ、運動量が生きる形をつくり、ベトナムDFを疲れさせる戦法だ。
中村俊はさらに<4>時間軸(試合運び)を使った揺さぶりに言及した。「観衆4万人が相手にとって重圧になれば理想。ベトナムはカタールに1点取られてから、極端に動けなくなったでしょ。うちも1―0で前半を折り返し、後半開始でもう1点取って、戦意喪失させたい。スタジアムも静かになって、さらに選手の気持ちがなえるような…」。ホームの利を逆手に取り、タフなベトナムを精神面から消耗させる。
今大会は開催国が躍進している。暑さに負けないスタミナと熱狂的なファンの後押しで、強豪に走り勝っている。だが、王者日本が勢いにのみ込まれるわけにはいかない。横、縦、高さと時間軸の「四次元揺さぶり」で、じわじわとベトナムの戦意を削り、勝機を引き寄せる。自力で1位通過をつかみ取る。
[2007年7月16日9時23分 紙面から]
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