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アジア杯2007特集

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巻が2発、示した存在感/アジア杯

後半、FW巻はヘッドで得点しガッツポーズ。右はGKソン(撮影・宇治久裕)
後半、FW巻はヘッドで得点しガッツポーズ。右はGKソン(撮影・宇治久裕)

<アジア杯:日本4-1ベトナム>◇16日◇1次リーグ◇B組◇ハノイ

 日本代表FW巻誠一郎(26=千葉)が、2ゴールを挙げた。ベトナムに先制された直後の前半12分、MF中村俊のセンタリングを胸で押し込んだ。後半14分には頭でダメ押し点をねじ込み、国際Aマッチ初の1試合2発。ミスをすれば風当たりが強まる千葉勢=「オシムチルドレン」の1人として、泥臭い守備やつなぎだけでなく、ゴールで存在感を示した。

 まずは、胸だった。まさかのオウンゴールで先手を取られた5分後、左からのセンタリングを、巻は胸に当てて押し込んだ。「外すスペースがないくらい、素晴らしいパスでした」。2点目はヘッドだ。チームの4点目を奪い、試合を決定づけた。左からのFK。DF2人の間に割り込むように頭を突き出し、ネットを揺すった。

 「汚い、泥臭い仕事をやってくれ」。オシム監督から試合前に受けた指示は、「らしさ」を出すことだった。猛暑の中を駆けずり回って、相手に圧力をかける。体を張る。MF遠藤はFKゴールの場面について「巻がGKのじゃまをしてくれた」と感謝した。巻は「まず、僕はそういう仕事をした上で、ゴールも要求されている。最低限の仕事はできました」。ニコリともせず、したたる汗に充実感を漂わせた。

 オシム監督がかつて指揮した千葉の選手たちは、活躍できなければ風当たりが強まる。初戦のカタール戦では山岸と羽生が決定機をミスし、責任を抱え込んだ。巻は言う。「ここには、日本を代表して来ている。千葉どうこうより、全力で出せるものを出す。(山岸と羽生は)外すところがクローズアップされますが、見えないところでいいプレーをしていましたから」と仲間をフォローした。

 言葉の通り、日本のために戦った。先発を外れたカタール戦。ハーフタイムは、ほかの控え選手と一緒に、先発した選手たちをタオルであおり、風を送った。部活の1年生のような仕事で、チームの一体感を生んだ。UAE戦から先発に復帰し、この日は2発で期待に応えてみせた。

 6月25日に元女優の北川智子さん(28)と結婚。生活ぶりは変わらないが、責任感が増した。「結婚して、僕が調子悪いと、奥さんも言われてしまう。今まで以上に、ダメと言われるのが嫌。結婚して、気持ちが変わった。心にゆとりができた。プラス思考に変わりました」。家族を背負うというより、純粋な気持ちでサッカーに打ち込めるようになったという。

 これでB組1位での突破が決まった。「次からは一発勝負だし、一戦、一戦集中していきたい」。オシム監督への恩返しはできたのか? 「どうですかね。まだまだじゃないですか」。大会は続く。この程度で、満足していられない。【佐々木一郎】

[2007年7月17日9時24分 紙面から]

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