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アジア杯2007特集

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俊輔の「高速FK」でリベンジだ

ミニゲームで強烈なシュートを放つMF中村俊(撮影・ たえ 見朱実)
ミニゲームで強烈なシュートを放つMF中村俊(撮影・ たえ 見朱実)

 【ハノイ=20日】日本代表MF中村俊輔(29)がオシム監督直伝の「高速FK」でリベンジを果たす。アジア杯3連覇を目指す日本代表は今日21日、準々決勝でオーストラリアと激突する。昨年のW杯ドイツ大会初戦1-3で逆転負けした強敵の高く厚い壁を突破するため、中村俊がオシム監督に低くて速いスライダーFKを伝授された。前日練習でも披露。本番では従来のカーブをかけて上から落とすFKを封印し、新兵器の高速キックで優勝への最大の障壁を撃破する。

 魔性の弾道が、DF陣の対応を迷わせた。スコール上がりの練習場でのミニゲーム。右サイドでのFKの場面で、中村俊はゴール枠をめがけていつもよりも速いボールを蹴った。DFが処理を誤れば、角度が変わったボールがゴールに入る危険な球筋。クリアをためらう守備陣の間を割って、ボールはGKの正面へ。楢崎が何とかキャッチした。

 「監督から指示された。誰かが触れば入る」と中村俊。直伝「オシム流FK」は、肉体的不利を無くす秘策だった。オーストラリアは身長188センチのFWビドゥカら大型選手をそろえる。しかも中村俊の上から曲がって落ちるFK弾道は、W杯で対戦したこともあり、研究されている。まともに放り込んでも、高い壁にはね返されるだけだ。今回中村俊が狙うFKはゴールの枠へ高速で飛ぶ。身長差は関係なくなる。

 もちろん、誰も触らなくてもゴールは決まる。GK川口も「あれはかなり守りにくい球筋。GKはまず相手のヘディングシュートを想定するから。誰も触らず抜けてくれば、そのままゴールに入ることもある」と解説した。現にオーストラリアは、1次リーグでイラク相手に「オシム的FK」で失点している。

 オシム監督が来日以来温め続けてきたFKだった。03年から率いた千葉は小柄な選手が多かった。普通の間接FKでは、大型選手がそろう強豪に通用しない。キッカーに一貫して「ゴールに向かう速いFK」を蹴らせ続けた。自分たちより大柄な相手との対戦は、J時代と同じ図式。代表では中村俊という世界トップのFKキッカーが「オシムの哲学」を実践する。

 中村俊は「芝が深いので、踏み込むと体が沈む。いつものこすり上げる蹴り方が使いにくい。直線的で速いボールを蹴るしかない」とも話した。高速FKは現地のピッチ事情にもフィットした。触るな危険、触らなくても危険―。悪魔の左足が、さながら劇薬のような弾道を、ゴール前に送り込む。【塩畑大輔】

[2007年7月21日9時19分 紙面から]

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