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アジア杯2007特集

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川口2本止めた、豪に雪辱/アジア杯

5人目のDF中沢が決めPK戦を制すと、GK川口は両手を上げ最高の笑顔
5人目のDF中沢が決めPK戦を制すと、GK川口は両手を上げ最高の笑顔

<アジア杯:日本1-1(PK4-3)オーストラリア>◇21日◇準々決勝◇ハノイ

 【ハノイ=21日】 日本には、この男がいた!! 日本代表の守護神・川口能活(31=磐田)が、アジア4強への扉をこじ開けた。悪夢の逆転負けを喫した昨年のW杯ドイツ大会以来の対戦となった、オーストラリア代表との準々決勝。延長戦を終えても1-1で決着がつかず、もつれ込んだPK戦で、GK川口が2本連続で止めた。3年前に制したアジア杯と同じ神懸かり的なセーブで、W杯での屈辱を晴らすとともに、オシムジャパンをベスト4へ導いた。

 夢にまで見た光景が、目の前に広がった。PK戦を締めくくったDF中沢が、満面の笑みで自分を目掛けて飛んでくる。川口は、全身でそれを受け止めると、日本代表選手たちの山に埋もれ、あっという間に見えなくなった。みんなの体重が重い、痛い。でも、そんなうれしい苦痛が、勝利の何よりの証しだった。

 後半24分に先制されたが、3分後にFW高原が同点弾を決めた。同31分には相手に退場者が出たが、延長戦の前後半を終えても、1-1のまま。迎えたPK戦は、望むところだった。1人目のキューウェルを左に飛んでストップ。2人目のニールは、右に動いて右手ではじいた。日本は5人中4人が決めた。キックオフから約2時間40分。死闘にケリがついた。

 「佑二を中心に守備陣が頑張っていて、タカ(高原)も同点ゴールを決めてくれて、みんなの頑張りを無駄にしたくなかった。PK戦は運もあるけど、GKの責任もある。みんなの頑張りを無駄にしたくなかった」。仲間の奮闘を2、3度言葉にして繰り返し、感謝した。「情報も大切だけど、その場の空気も大事。うまく駆け引きできた。何で止められたかは、分かりません」。

 18日の夜、夢を見た。その中で、自分がPKを止めていた。「まさか(現実に)なるとは思いませんでした」。決戦にかける思いが、睡眠中も頭をよぎったのかもしれない。昨年のW杯初戦のオーストラリア戦。相手スローインに飛び出したもののボールに触れず、同点ゴールを献上。そんな自らのミスもあって逆転負けを喫した。「悔しさを晴らすチャンス」と言って臨んだ試合で、リベンジを果たした。

 3年前のアジア杯中国大会。あの時も、同じ準々決勝のヨルダン戦で、PK戦を制した。スコアは1-1、2本止めたことまでまったく同じ。だが、自分の立場が違う。今回は主将として乗り込んだ。最初の公式会見では、ぎこちないながらも英語で質疑応答した。ピッチの内外で、31歳の守護神は責任を果たしていた。

 「こういう試合をものにすると、チームは結束を高める。積み重ねが、こういう結果を生むんです。まだ2試合ある。今日はいいですけど、また明日から準決勝に向けて準備します」。ドーピング検査と取材対応で遅れ、最後にチームバスに乗り込むと、笑顔で迎えられた。オシム監督が「最も困難な試合」と評した一戦を乗り越え、アジアの頂点が見えてきた。【佐々木一郎】

[2007年7月22日9時16分 紙面から]

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