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アジア杯2007特集

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高原が貴重な同点弾/アジア杯

後半27分、相手のクリアミスからFW高原が粘り、同点ゴールにつなげる
後半27分、相手のクリアミスからFW高原が粘り、同点ゴールにつなげる

<アジア杯:日本1-1(PK4-3)オーストラリア>◇21日◇準々決勝◇ハノイ

 ここぞ、のタカだ! 日本代表FW高原直泰(28)が、貴重な同点弾を決め日本のトラウマを断ち切った。オーストラリアに先制された3分後の後半27分、相手DFが処理を誤ったボールを奪取。温存していた必殺のキックフェイントでかわし、シュートコースをつくると、冷静に同点弾をゲット。値千金のゴールで失意のチームをよみがえらせた。

 先制された重苦しい空気を、わずか3分後に断ち切った。後半27分、巻のヘッドの折り返しをDFミリガンが蹴り損ねた。今大会3戦3発のハンターが獲物を見逃すはずがない。そのボールを拾った高原が、とっておきの宝刀を抜いた。右足でシュートを打つと見せかけてミリガンをあざむくと、深い切り返しでシュートコースをつくる。左足で放ったシュートはポスト左をはじいてゴールに突き刺さった。「ここぞ、の場面でフェイントが出せた」。狙い通りの一撃は、計算ずくの“演出”があった。

 チャンス到来まで、キックフェイントを温存していた。オーストラリアのビデオを分析していた時、DF陣がフェイントに惑わされるシーンが脳裏に焼き付いていた。「結構、キックフェイントに引っかかっていたので、ああいう場面になるのを待っていました」と点取り屋らしい駆け引きを自画自賛。PK戦では既に両足がつっていた状態だったが「自分で蹴りたかったので蹴った。でも1人、外して恥ずかしかった。オシム監督には『練習通りに外したな』と笑われました」と武骨なFWらしからぬ照れ笑いも浮かべた。

 微熱による体調不良も、きっちり乗り越えた。16日のベトナム戦は最悪の状態だった。それを中4日で回復できたのは、ドイツW杯後に移籍したフランクフルトで、先発の座を手にしたことが大きい。「ハンブルガーSVでは、自分が出られるか分からない状態で常に100%を出して練習した。それで試合に出て体が動かないというのが結構あった」。この1年間で、ただガムシャラに練習するだけでなく、体調を考えて休養することも学んだ。復調を告げるゴールは、屈辱も味わった同じドイツで、1年間かけて体に刻み込ませた経験が凝縮されていた。

 W杯の屈辱を晴らした。だが、高原だけは特別な感慨にふけることもなかった。「何度も同じ相手に負けてはいけない。オーストラリアに勝つためにやっているわけじゃない。目標に向かって1つの山を越えただけ。優勝するのが最大の目標」。過去は過去。高原には頂点しか見えない。【藤中栄二】

[2007年7月22日9時16分 紙面から]

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