日本V3消滅、サウジに惜敗/アジア杯

- サウジアラビアに3対2で負け肩を落とすMF中村俊(撮影・ たえ 見朱実)
<アジア杯:サウジアラビア3-2日本>◇25日◇準決勝◇ハノイ
【ハノイ=25日】日本代表イビチャ・オシム監督(66)が、自らの信念を貫いて敗れた。3連覇を狙うアジア杯準決勝で、サウジアラビアと対戦。前半35分に先制され、常にリードされる展開だったが、DF中沢佑二(29)とDF阿部勇樹(25)のゴールで2度も追いついた。だがスピードある敵FWに対し、常にセンターバック2人で対応させ、攻撃的姿勢を貫いた。その結果、3点目を奪われ、2-3で決勝進出を逃した。日本は28日に韓国と3位決定戦(パレンバン)を行う。
怒ってはいなかった。敗戦のホイッスルを聞いたオシム監督はサウジアラビアのアンジョス監督と握手を交わした。巨体を揺らし、堂々とした表情でピッチから引き揚げた。負けはしたが、その巨体は自分自身のサッカー哲学は負けなかったという自負に包まれていた。
オシム監督 われわれはリスクを冒している。リスクを冒すということは失点する確率が高い。相手の2トップに2バックで守った。なぜ、そうするのか。もう1人、別のポジションでフリーになる選手がいると考えるからだ。それがゲームメーカーだったり、素晴らしい選手だったりする。
中沢、阿部のセンターバックコンビに守備のすべてを託した。前半35分に先制されたが、2分後に中沢が強烈なヘッドで同点ゴール。後半2分に先行されたが、同8分に阿部が豪快なジャンピング右ボレー弾を決め、再び追いついた。ここで素早い敵2トップに対し、3バックで臨む選択肢もあった。だが老将はDF2人を信じた。「今までだったら、3バックにする傾向があるのにしなかった」と中村俊。坪井はベンチに座ったままで、ウオーミングアップの指示もしなかった。攻撃的な姿勢を変えることはなかった。
オシム監督 リスクを回避してリベロ(DF)を置き、3バックにするならば中盤の数的優位は失われる。どちらがいいのか。私は今、やっているサッカーの信奉者だ。その方が魅力があるし、美しいフットボールになる。残念ながら、何かが伴わなかった。何かはお分かりでしょう。
何かとは、予想以上の選手の疲労によるプレーの質の低下だった。2-3になった後半12分以降、既に中村俊が、遠藤が、中心選手が次々と動けなくなっていた。同23分に佐藤、同30分に羽生を投入したが、チーム全体で足が止まっていたため、打開策とはならなかった。
オシム監督 チームの中心選手の中で疲労が目立つ選手がいたのが残念だった。でも文句は言えない。一生懸命、やっていた。内容は悪くなかった。確かにプレー全体はスローテンポだった。疲れたからアイデアを欠いていた。アイデアがなければスローになる。
28日には韓国との3位決定戦に臨むが、選手の疲労を考慮してメンバー変更する。「優勝を争う試合でないのが残念。選手は疲れているので、フレッシュな選手で臨むことを考えたい」。敗軍の将となったオシム監督。だが、その信念に揺らぎはない。【藤中栄二】
[2007年7月26日9時49分 紙面から]
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