守備崩壊オシム日本初の3失点/アジア杯

- 前半、Y・アルカフタニ(左端)は先制のゴールを決める(撮影・宇治久裕)
日本代表はサウジアラビア戦で、オシム監督就任以来初の1試合3失点を喫して敗れた。DF中沢佑ニ(29)と阿部勇樹(25)のセンターバックコンビが、相手攻撃陣の勢いを食い止められず。ともにセットプレーから1得点ずつを挙げ、失地回復を図ったが、さらに失点を重ねてしまった。強力2トップに対して2人で守るというかけに出た指揮官の信頼に応え切れなかった。
蒸すようなピッチに、2人はぼうぜんと立ち尽くした。2―2の後半12分。中沢と阿部は、左サイドからエリア内に侵入するFWムアトを、2人がかりで必死に防ごうとした。すがるようなマークが、もう1歩届かない。トップスピードを緩められないまま突破を許し、角度の無いところから、ゴールネットに被弾した。
「今のうちに、攻撃をはね返す力がなかったということ」。試合後中沢は、広い肩を落として振り返った。「波状攻撃ではなかったが、単発の攻撃を止められなかった」と唇をかむ。前半からボールは圧倒的に支配したが、ミスから失点を重ねた。特に1―1の後半2分には、右クロスの際ゴール前で構える2人の間に、ムアトの侵入を許した。「ニアを抑えながら、クロスに対処したかったけど」と阿部。目の前で悔しいヘディング弾を許した。
それでもセンターバックコンビは気持ちを切らさず、2度にわたって自分たちの得点で試合を振り出しに戻した。1点を先制された約1分後の前半37分には、中沢がMF遠藤のCKに合わせて同点弾を決めた。1―2の後半8分には、セットプレーから阿部が豪快な右足ジャンピングボレーを決めた。着地の際に左手首付近を痛める、捨て身の一撃だった。
だが、守りを固めて、試合の流れを引き寄せることはできなかった。中沢は「ペースをつかみかけたのに、自分たちで相手にリズムを与えてしまった。今日はそこに尽きる」と、中田英寿に並ぶ代表通算11ゴールにも笑顔はない。
指揮官からは2人だけで2トップを抑える期待をかけられた。だが90分にわずか数回だけながら、1対1に敗れて失点してしまった。だが裏を返せば、4バック敢行は指揮官の信頼の厚さの表れでもある。世界と互角に戦えるサッカーを確立するために、2人はとにかくオシム監督の思い入れに応えるしかない。【塩畑大輔】
[2007年7月26日9時31分 紙面から]
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