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アジア杯2007特集

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祖国に勇気イラク初V/アジア杯

<アジア杯:イラク1-0サウジアラビア>◇決勝◇29日◇ジャカルタ

 混乱の続く母国へ、イラクが涙の大会初優勝を届けた。史上最多4度目の優勝を狙うサウジアラビアを、速い出足と積極的な攻撃で圧倒。後半27分にエースFWのY・マハムード(24)があげた決勝ゴールを守り抜き、1-0でアジアサッカーに新しい歴史をつくった。Y・マハムード、Y・アルカフタニ(サウジアラビア)高原(日本)が4ゴールで得点ランク首位に並び、高原は日本人選手として初めて得点王になった。

 終了のホイッスルが鳴ると、白いユニホームの選手たちは国旗を体に巻き、ピッチの周りを走った。04年アテネ五輪4位、昨年アジア大会準優勝で復活の兆しを見せたイラクが、下馬評を覆す快進撃でたどりついたアジアの頂点。「選手たちには国のために何かをしたい、という強い気持ちがあった」と、ブラジル人のビエイラ監督は言った。

 イラク戦争後も混乱の続く母国。市民の楽しみでもある国内リーグは、中止、延期が頻発する。代表23人のうち15人は近隣国でプレー。選手の多くは家族や親戚、友人をテロで失っている。しかし、すべての逆境をはね返して、アジア王座をつかんだ。「勝利で国民を勇気づけたいと思っていた。でも、逆に僕らの方が勇気づけられた」と、GKのN・アバスは話した。

 5月の就任時、ビエイラ監督は「人々を笑顔にし、人生に喜びを与える」と約束した。「今、それを実現できた」。大会後の退任を表明している監督は胸を張った。選手集めから苦労して、準備合宿や試合も満足ではなかった。それでも、オーストラリア、韓国、サウジアラビアと強豪を次々倒した。混乱状態にある母国に贈る初優勝。「今日だけは、銃を思う存分撃って欲しい。祝砲として、空に向けて」。ビエイラ監督はイラクを思って言った。

[2007年7月30日9時24分 紙面から]

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