【ドーハ(カタール)=22日】カズ絶賛の「シンジターン」で得点量産だ!
日本代表MF香川真司(21=ドルトムント)がドイツでの進化を見せた。日本(FIFAランク29位)は21日の地元カタール(同105位)との死闘を3-2で制し、4大会連続の4強進出。香川は2度の同点弾と決勝ゴールのお膳立てをする活躍だった。周囲を驚かせたのは、3点目につながったボールを受けて反転する速さ。尊敬するカズ(三浦知良=43)も驚く世界レベルの技術で、アジアの頂点へ引っ張っていく。
激闘から一夜明け、香川は心地よさそうにドーハの風を受けていた。アルアハリ競技場でのクールダウン後、靴を脱ぐと、芝生に座ってリラックス。チームを救う2度の同点弾で、無得点の苦しみから解放された。何よりも自信になったのは、3点目につながった動きだった。
香川
ボールをもらったら前向きになってすぐ、スペースに走っていく。ドイツでファーストタッチの練習をしてるし、ゴールへ向かう気持ちですね。自信になります。
振り返るのは2-2だった後半44分のプレーだ。MF長谷部が香川へグラウンダーのパス。速いボールを左足で難なく受け止め、同時に左回りに反転した。一瞬にしてゴールを向くと、鋭く右へ切れ込むドリブル。最後は相手DFに倒されたが、こぼれ球を伊野波が流し込んだ。
昨年7月にドイツ1部ドルトムントへ移籍して、ゴールを量産する。リーグ戦17試合8得点、欧州リーグで4得点。トップ下で開花した得点力は、主にこの「シンジターン」から生まれている。小学生の時には元フランス代表ジダンの「マルセイユルーレット」をまねし、得意にした。屈強なドイツリーグに渡るとスピードを武器に進化。より大きな円をイメージしてボールをさばき、空いたスペースへ素早く走り込む。その欧州仕様の「シンジターン」を、ようやくアジアで披露した。
カタール戦は、まさに背番号「10」の活躍だった。1点リードされた前半28分、FW岡崎の浮き球に頭を合わせて同点。熱望していた今大会初得点で、勢いづいた。1-2の後半25分には、左足で2度目の同点ゴール。3点すべてにかかわり、数的不利の完全アウェー戦を制した。
香川
ゴールすると気分はいいし、夜はゆっくり過ごせました。精神的に何か気持ちが乗らなかったし、やっぱり特別ですね。
若きエースと期待されるアジア杯。ドイツと違う左サイドでの動きに悩み、得点できない苦しみを味わい、眠れない夜もあった。そんな時、長谷部を通じてメールで励ましてくれたのがカズ。そのカズも「長谷部のボール。あれを一発で前向けるのは、香川さん、すごいね」とお墨付きだ。自信を取り戻した21歳。世界レベルの「シンジターン」で、アジアの頂点へのゴールを量産していく。【近間康隆】

