<アジア大会・サッカー:日本3-0台湾>◇女子1次リーグB組◇22日◇韓国・仁川文鶴競技場

 なでしこジャパンMF阪口夢穂(26=日テレ)が一夜限り?

 のFW起用で結果を出した。1次リーグ最終の台湾戦に2トップの一角でサプライズ起用され、前半3分に先制V弾をゲット。期待に応えたが、あくまで負傷者続出の中での応急処置だったようだ。1次リーグ首位通過で8強入り。26日の準々決勝はA組3位のインドかC組3位(今日23日決定)と対戦する。

 開始3分で奇襲が成功した。2トップに入ったのはボランチが本職の阪口。意表を突かれた台湾がまごつく間に、一気に試合を決めた。右サイドのボールを視界にとらえながら、悠々と中央へ上がる。そこを目掛けてDF有吉の右クロスが届くと、右足をダイレクトで振って、ライナーでゴール右にたたき込んだ。

 FWで先発したのは、代表では佐々木監督が指揮し始めた08年以前で「10代でした」。今回は負傷者だらけのFWを救う妙案で「『におい』はしてたけど、正式に言われたのは前日」という起用。背番号10の高瀬、今大会3得点の菅沢を負傷で欠き、吉良も万全ではない。1位通過は中国との得失点差勝負の中、18日のヨルダン戦でハットトリックした阪口にお呼びがかかった。

 しかし早々に結果を出すと、前半25分にお役御免。ボランチへ戻された。「楽しかったのに…。ハウス(帰巣)が早かった」。出来は良かったが、阪口を中盤に据える方が落ち着きがいい。佐々木監督も「やっぱり宮間と組ませるとバランスがいい。うん、ボランチですね」と笑い飛ばした。

 それでも後半18分、MF猶本が起用されるとポジションが重なった阪口が再び最前線へ。しかし、追加点は挙げられず「NGですね~。FWとしての特長がないので。次戦も?

 大丈夫です」と手を横に振った。

 阪口は2人いない。ボランチかFWか。来年のW杯カナダ大会に向けたオプションになるのか、一夜限りなのか?

 26日の準々決勝以降の動向も注目される。【木下淳】